北海道石狩湾沖 11事業体が洋上風力発電計画
2023/10/16
住友商事は、北海道石狩湾沖で最大出力100万kWの洋上風力発電計画を公表し、10月12日から環境影響評価の手続きを開始した。石狩市や小樽市などが面する石狩湾沖では、国内外の11の事業体が大規模な洋上風力発電計画を相次いで公表している。
住友商事が
環境アセス手続き
住友商事の事業実施想定区域(出典 住友商事)
住友商事は、石狩市と小樽市の沖合約2~5km、水深40m以下の海域に洋上風車を設置する計画を公表した。事業実施想定区域は約3万6350ha。1万5000~2万kWの風車を最大67基設置する。海面からの高さは250~300mと見込む。洋上風車の基礎構造は着床式で、モノパイル式、ジャケット式、重力式、サクションバケット式のいずれかを採用する。工事期間は現在検討中。
10月12日から11月17日まで、環境影響評価の第1段階である「計画段階環境配慮書」の縦覧を北海道石狩振興局や石狩市役所、小樽市役所、札幌市役所、当別町役場などで実施するほか、同社のホームページでも公表する。
石狩湾沖で
11事業体が発電計画
北海道石狩湾沖は大消費地の札幌市に近く、石狩新港地域の工業団地への電力供給が期待されている。今年5月には、北海道沖のほかの4海域とともに、再エネ海域利用法に基づく「有望な区域」に整理された。風況が良く遠浅であることから、大手商社や再エネ事業会社などが、これまでに11の事業計画を相次いで公表している。
このうち、グリーンパワーインベストメントが設立した合同会社グリーンパワー石狩は、2022年9月から洋上工事に着手している。計画では、石狩湾新港の沖合約1600mに8000kWの風車14基を設置する。最大出力は11万2000kW。清水建設が建造した大型SEP船が今年7月から洋上風車の工事を開始し、9月初めに14基の風車の設置が完了した。試運転などを経て今年12月に商業運転を開始する予定。
合同会社グリーンパワー石狩を除く10の事業計画は、いずれも石狩湾沖が再エネ海域利用法に基づく「促進区域」に指定されることを前提としている。北海道庁では、有望な区域に整理されたことをうけて、法定協議会の設置の準備を進めている。促進区域への指定を見据えて、今後は各事業体の動きが活発になりそうだ。
DATA
「(仮称)北海道石狩市洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書」の公表及び縦覧について
取材・文/高橋健一