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五島市沖の浮体式洋上風力、協議会で漁業影響調査や基金の設置など議論進む

長崎県は12月15日、第5回目となる「長崎県五島市沖における協議会」を開催した。不具合の見つかった浮体式洋上風力発電設備の今後の運転開始時期、漁業影響調査の手法、基金の透明性確保などについて議論した。

(五島市の福江港から望む建設中の洋上風車。2023年7月、筆者撮影)

五島市で第5回協議会開催
運転開始時期の延期など報告

長崎県は、経済産業省・資源エネルギー庁、国土交通省港湾局と共同で、再エネ海域利用法に基づく「長崎県五島市沖における協議会」を設置している。第5回協議会が12月15日、五島市で開催され、五島フローティングウィンドファーム合同会社のほか、地元の3つの漁業協同組合や有識者などが参加した。

議題は、浮体式洋上風力発電設備の今後の運転開始時期、漁業影響調査の手法、基金の透明性確保の3つ。五島市の福江港で製作中の浮体式風力発電設備に不具合が見つかったため、代表企業である戸田建設は今年9月、是正措置を行うため運転開始時期を2年延期することを公表していた。協議会では、運転開始時期を2026年1月とする公募占用計画の変更申請が、経産省と国交省に認定されたことなどが報告された。

漁業影響調査の具体策も議論
漁業と地域のための基金設置へ

漁業影響調査の手法については、地元漁業者との複数回の事前協議のうえ、漁業影響調査として、はえ縄漁と一本釣り漁について試験操業を行うことで合意した。はえ縄漁と一本釣り漁は、五島市沖近海で主に行われている漁法。地元の漁業協同組合と協力して、春と秋の年2回行う。有識者からは、調査の結果を都度アップデートしながら進めるべきとの指摘があったという。

また、発電事業者に対して設置を求める基金に関しては、前回の協議会で議題になった漁業のための「五島市浮体式洋上風力発電漁業振興基金(仮称)」に加えて、地域のための「洋上風車夢基金(仮称)」を設立し、2024年度以降20年間振興策を実施することなどが概ね合意されたという。

DATA

長崎県五島市沖における協議会


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

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