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【シリーズ 再エネの未来】FOMアカデミー、GWOの「アドバンスド・レスキュー・トレーニング」の提供を開始。BSTに続き

風力発電専門のトレーニング施設・FOMアカデミー(福島市)は、レスキュー訓練の応用編である「アドバンスド・レスキュー・トレーニング(ART)」の提供を始めた。ARTは、ナセルやタワーなど風車の内部で負傷した仲間を救助するための高度なトレーニングだ。

高度なレスキュー技術を学ぶ
風車内部の傷病者を適切に救助


(ARTのトレーニングの様子。写真提供:FOMアカデミー)

一般社団法人ふくしま風力O&Mアソシエーションが運営する風車メンテナー専門のトレーニング施設・FOMアカデミーは、国際機関GWOの認証を得て、新たに「アドバンスド・レスキュー・トレーニング(ART)」の提供を開始した。

ARTは、風車の内部で傷病者が発生した際に、適切な救助を行うための高度なトレーニングだ。GWOのトレーニングには、基礎安全訓練である「ベーシック・セーフティ・トレーニング(BST)」がある。応用編であるARTでは、BSTで習得した高所作業などの技術や知識をもとに、より発展的な内容を学ぶ。

実際のメンテチーム編成を想定
ロールプレイで現実に即した訓練


(ARTで使用するレスキューデバイス。写真:都築大輔)

FOMアカデミーでは、ARTの4つのモジュールを提供している。要救助者が発生した場所と救助する側の人数によって、「ハブ、スピナー、内部ブレードの救助(HSIBR)」、「ナセルやタワー、ベースメントからの救助(NTBR)」、「単独救助:ハブ、スピナー、内部ブレードレスキュー(SR:HSIBR)」、「単独救助:ナセル、タワー、ベースメントの救助(SR:NTBR)」に分けられる。

基本的な知識や技術の習得に重点を置いたBSTと比べると、ARTは、より実践的な訓練だ。例えば、実際の風車のメンテナンスチーム編成に合わせて、2〜3名のチームでトレーニングを行い、チームリーダー不在の状況を想定して、チーム内の「コーディネーター」がメンバーの役割分担を決める。このようなロールプレイングを通じて、より現実に即したレスキューの経験値を積むことができるようになっている。

デバイスの応用的な使用方法も
風車内部の特殊な環境を想定


(ARTのトレーニングの様子。写真提供:FOMアカデミー)

基礎編であるBSTの高所作業という訓練では、ロープとハンドルが一体になった「レスキューデバイス」を使って、ハシゴの上で宙吊りになった人形を下ろす訓練を行う。ARTでも同じデバイスを使用するが、より早く救出するために別の道具を組み合わせて使うなど、応用的な使用方法を学ぶ。また、ブレード内部などを想定した照明が暗い条件での訓練や、高さ2m程度でのランヤード(命綱)の使い方、ハーネスをつけていない傷病者の搬送方法なども学習するという。

ハブやナセル、タワーなどの風車内部は狭く、特殊な環境であることから、救助する側自身も足場を確保したり、自分の体を固定したりして、安全を保った状態でレスキューを行わなければならない。風車のメンテナンスに長年従事してきたインストラクターでも苦戦するほど、ARTは難易度の高い訓練だという。「ARTを通じて、より多くの方に知識や技術を習得してもらい、風車メンテナンスの安全性を高めてほしい」とFOMアカデミーのトップインストラクターである吉田敏光氏は力を込める。

DATA

FOMアカデミー – 一般社団法人ふくしま風力O&Mアソシエーション
 


写真/都築大輔 取材・文/山下幸恵(office SOTO)

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