注目キーワード

English 日本語

政策・制度

秋田市南部沖、2033年度までの着工目指す 浮体式導入も検討

秋田市は2月13日、同市の南側の沖合で2033年度までに洋上風力発電設備の着工を目指す方針を正式に明らかにした。想定する出力は45万5000kW。さらなる沖合への浮体式についても検討する方針だ。

経済効果は
329億2600万円

秋田市沖における本市の経済波及試算

秋田市の新エネルギービジョン原案(出典 秋田市)

秋田市が事業化を検討しているのは、秋田港よりも南側の海域。昨年11月に開催された秋田市再生可能エネルギー推進検討委員会で、市側は、本市沖は洋上風力発電の高い導入ポテンシャルを有していることから、再エネ海域利用法に基づく一般海域の早期の促進区域指定を目指すとともに、洋上風力発電事業者が実施する地域貢献策として、本市の経済活性化や地元での洋上風力サプライチェーンの構築を働きかけていく考えを示していた。

秋田市は2月13日、市の沖合で洋上風力発電を整備することを柱とする「新エネルギービジョン」の原案を公表した。学識経験者などで構成する「市再生可能エネルギー推進検討委員会」に示した。原案では、秋田市南部沖の想定する出力は45万5000kWで、2033年度までの着工を目標に掲げている。今後は、再エネ海域利用法に基づく「促進区域」の指定を目指して地元調整を図る。市では、洋上風力導入時の経済効果を329億2600万円。建設や運転・保守、撤去工事で1655人の雇用が生まれると算出している。

さらなる沖合への
浮体式導入も検討

第4回秋田市再生可能エネルギー推進検討委員会

第4回秋田市再生可能エネルギー推進検討委員会(出典 秋田市)

秋田県では、浮体式を含めた、水深 30m以深の海域における洋上風力発電の導入可能性の検討を進めている。秋田市も、県と連携しながら、さらなる沖合への洋上風力発電の導入可能性の検討を行う。また、ジャケット式・浮体式の導入を見据えた、秋田港の機能強化を促進するほか、必要となる資材・部品・治具などの供給体制の整備に向けた技術動向を調査する。

さらに秋田市では、洋上風力のサプライチェーンに市内事業者が参入できるよう、人材育成・確保に向けた支援や部品・治具製造のための設備投資などを支援するとともに、市外事業者と市内事業者との共同による事業化を推進するほか、関連企業の誘致に取り組むとしている。

12人、56件の
パブリックコメント

昨年12月から実施したパブリックコメントでは、12人から計56件の意見が寄せられた。具体的には、「秋田市沖の法定協議会への参加等について、このビジョンの主体の1つである市民に説明し、理解と同意を求めるべきである」、「風車などの建設により、鳥類をはじめとする生態系への影響や自然破壊が危惧される」、「洋上風力発電の風車による、騒音や低周波などの健康被害が懸念される」といった意見が寄せられた。

秋田県沖では、現在、秋田市の北側の「男鹿市、潟上市、秋田市沖」で、発電事業者の選定が行われている。また、秋田市の南側に隣接する「由利本荘市沖」では、三菱商事を中心とする企業連合が2030年12月の運転開始を目指して事業を進めている。これに先立って、今年1月には秋田市の秋田港湾区域で、丸紅など13社で構成する特別目的会社「秋田洋上風力発電」が国内初の大規模商業運転を開始している。

DATA

秋田市再生可能エネルギー推進検討委員会


取材・文/高橋健一

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.10 | ¥0
2026/3/17発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 【浮体式洋上風力市場】欧州の先行事例:政策主導の市場形成
  2. 【コスモス商事】国内初!230HPの大型電動ROV、レンタルサービスが2027年春に始動
  3. 『WIND JOURNAL』vol.10[2026年春号]3/17発行!
  4. 【長崎海洋産業クラスター形成推進協議会】GWO基本技能訓練が今年5月にスタート 国内初の洋上タワーで操船訓練も提供へ
  5. 【中部電力パワーグリッド】風力発電の受変電コンサルを展開!長期安定運用をサポート
  6. 【JIPテクノサイエンス】最先端の地盤解析ソフトウェアでモノパイルの設計を合理化
  7. 北海道石狩市沖で第1回法定協議会 6つの漁協が精細な調査の実施と情報共有を要望
  8. 北九州響灘洋上ウインドファームが運転開始 愛称は「Wind KitaQ 25」
  9. 【洋上風力第3ラウンド】青森・山形2海域の公募占用計画を認定 風車レイアウトを正式に公表
  10. 秋田市のブレード落下事故で最終報告書「構造上の問題と損傷の未確認が原因と推定」

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.10 | ¥0
2026/3/17発行

お詫びと訂正