注目キーワード

English 日本語

政策・制度

洋上風力第1ラウンドの秋田県沖2海域、建設前後の6年間 漁業影響を継続調査

洋上風力第1ラウンドの秋田県沖2海域の法定協議会が3月18日に開かれ、漁業への影響について、設備着工前と建設中、稼働後の計6年間にわたって継続調査する方針を発電事業者が明らかにした。

秋田県沖2海域
2026年に着工

秋田県能代市・三種町・男鹿市沖の事業概要(出典 三菱商事系企業連合)

秋田県能代市・三種町・男鹿市沖の事業概要(出典 三菱商事系企業連合)

第1ラウンドの秋田、千葉の計3海域は、三菱商事を中心とする企業連合が発電事業者に選定されている。計画によると、秋田県沖の2海域では2026年に着工し、「能代市、三種町、男鹿市沖」は2028年12月に運転開始、「由利本荘市沖」は2030年12月に運転開始する予定。

秋田県由利本荘市沖の事業概要(出典 三菱商事系企業連合)

秋田県由利本荘市沖の事業概要(出典 三菱商事系企業連合)

第1ラウンドの3海域では、GE製の超大型風車「Haliade-X」が採用される。「Haliade-X」は発電出力が1万3000kW。高さが最大で248メートル、ローター径は220メートルに達する。「能代市・三種町・男鹿市沖」には、38基(合計出力49万4000kW)の風力発電設備を建設する計画。由利本荘市沖には65基(同84万5000kW)を建設する計画だ。

漁業への影響を
建設前後の6年間調査

3月18日の法定協議会では、2海域ともに発電事業者が設備着工前と建設中、稼働後の計6年間にわたって、継続して漁業への影響を調査する方針を明らかにした。漁業への影響調査は、事業区域内と区域外で特定魚種の漁獲量や産卵、稚魚の状況などを継続的に調べる。水質や風車基礎の周辺の海底地形の変化も調査する。調査結果は年に1度、ホームページで公開したうえで、地元との意見交換も行う。

発電事業者が拠出する基金については、各海域の自治体と漁業者団体が協議し、配分する割合を決めることが了承された。基金は発電事業者が、20年間の売電収入額のうち0.5%を目安に拠出する予定。

秋田県漁業協同組合の加賀谷弘組合長は、「継続的な調査によるデータの積み重ねが重要で、漁業者が納得できる形で進めてほしい」と話した。次回の法定協議会は、発電事業者が年内に漁業影響調査の手法をとりまとめたあとに開催する予定。

DATA

秋田県能代市、三種町、男鹿市沖 法定協議会

秋田県由利本荘市沖 法定協議会


取材・文/高橋健一

関連記事

男鹿市、潟上市、秋田市沖
秋田県八峰町、能代市沖
秋田県庁
秋田港湾区
男鹿市、潟上市、秋田市沖
秋田県八峰町 能代市沖
広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 動き出した浮体式大規模実証 水深400メートルの未知の海域に超大型風車を設置...
  2. 【洋上風力第4ラウンド】岩手県久慈市沖浮体式計画で国に情報提供 事業推進を前提に地元漁協が法定協参加に同意...
  3. 【洋上風力第4ラウンド】千葉県旭市沖 洋上風力の事業化に向けて国に情報提供...
  4. 「WFOアジア洋上風力サミット2025」、7月2日、3日に東京で開催 ~ 着床式・浮体式洋上風力の商業規模の導入拡大に向けた議論 ~...
  5. 【トップインタビュー】浮体式洋上風力発電技術研究組合 寺﨑理事長に聞く...
  6. 風力発電の2024年導入量は過去最高 今後は増加率の低下を懸念
  7. 武藤経産相「事故原因の究明を踏まえて必要な安全対策を検討」
  8. 秋田市の風車ブレード落下、15年前にも落下事故 経産省が現地調査を開始...
  9. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?...
  10. 石川県輪島市検討協議会、浮体式洋上風力の誘致推進を決議 震災復興へ

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.08 | ¥0
2025/2/19発行

お詫びと訂正