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浮体式洋上風力の海上施工 ワーキンググループの初会合を12月17日に開催

国土交通省は、浮体式洋上風力発電の海上施工等に関する官民フォーラムの下にワーキンググループを設置する。12月17日に初会合を開き、海上施工のボトルネックとなり得る点を具体的に議論する。

<目次>
1.官民フォーラムを今年5月に設置
2.ワーキンググループで海上施工の議論を加速

 

官民フォーラムを
今年5月に設置


取り組み方針の進め方イメージ(出典 国土交通省)

国土交通省は、浮体式洋上風力発電の大量導入に向けた海上施工等に関する諸課題についての議論を促進するため、「浮体式洋上風力発電の海上施工等に関する官民フォーラム」を今年5月に設置した。第1回フォーラムでは、浮体式洋上風力発電の海上施工等を取り巻く状況や技術的な課題について発表や意見交換が行われた。さらに、5月21日から6月17日にかけて、浮体式洋上風力発電の海上施工等に関する意見募集を実施し、多くの意見が寄せられた。第2回フォーラムでは、これらの意見を踏まえ、海上施工などに関する諸課題や海外での施工事例について議論が行われた。

8月に開かれた3回目の会合では、「海上施工などに関する取り組み方針」がテーマ。海外の施工事例により、海上施工に関するさまざまな技術的課題が浮き彫りになっている。例えば、サプライチェーンの構築、洋上クレーンやタービン設置といった海上での施工の難しさ、係留システム問題、港湾への曳航による運転保守などだ。

3回目の会合では、「海上施工の実施」の観点から議論を加速させるべき課題について説明があり、それを踏まえた上で、課題ごとに今後の取り組み方針が示された。課題は、①施工シナリオの検討、②港湾インフラ・関係船舶確保などのあり方に関する検討、③設計・施工・維持管理に係るガイドラインなどの整理、④各種調査・研究の推進、⑤関係機関、組織との連携が不可欠な改題への対応の5点が指摘されている。

施工シナリオについては、世界の国々で計画・構想されている洋上風車の規模(タービンサイズ)は、15~20MW機が多く、浮体基礎の種類はセミサブ型、バージ型、スパー型などが想定される。15~20MW機を約50~70基程度導入すれば、900~1100MWの発電所となり、施工期間は2~3年間を想定している。

3回目の会合では、出席した委員から、しっかりした需要予測により運転保守を含む人材やサプライチェーンもできる限り国内で確保すべきだ、サプライチェーンについては、地元の産業振興につながるものであってほしいといった意見や要望が出された。


 

ワーキンググループで
海上施工の議論を加速

国交省は、第3回官民フォーラムで提示した海上施工等に関する取り組み方針を踏まえ、「海上施工シナリオ」の策定に向け、官民フォーラムの下に、国土交通省、関係機関(海事、港湾)、学識経験者、建設事業者、造船・舶用事業者、海運事業者等により構成される「浮体式洋上風力発電の海上施工等に関する官民WG(官民WG)」を設置する。

官民WGは12月17日に初会合を開き、今年度は2回程度開催し、海上施工においてボトルネックとなり得る点を具体化して対応策を議論するための「海上施工シナリオ」や、浮体式洋上風力発電の海上施工等に関する調査・研究の方針について議論を進める方針だ。

DATA

「浮体式洋上風力発電の海上施工等に関する官民WG」を開催


取材・文/ウインドジャーナル編集部

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