北海道檜山沖、11月8日に第3回法定協議会 意見集約のたたき台について議論
2024/11/05
経済産業省と国土交通省、北海道は、檜山沖の第3回法定協議会を今月8日に開催すると発表した。促進区域の指定に向けて、意見集約のたたき台について議論する。
新たに2事業体が
事業計画を公表
北海道檜山沖の水深(出典 経済産業省)
北海道檜山沖は、せたな町、八雲町、江差町、上ノ国町の4町の沖合の海域。檜山沖の第3回法定協議会は今月8日(金)の午後2時00分から江差町のホテルニューえさしで開催する。法定協議会のメンバーは、経産省や国交省、北海道のほか、せたな町、八雲町、江差町、上ノ国町、漁協関係者などで構成される。第3回の法定協議会では、専門家からの情報提供のほか、地域の取り組み状況の報告に続いて、意見集約のたたき台について議論し、そのあと出席者による意見交換が行われる。会議の様子はYouTubeで生配信する予定。
経産省によると、檜山沖の事業想定エリアは乙部町を除くせたな町から上ノ国町までの沿岸部で、出力規模の想定は約91~114万kW。檜山沖では、これまでに電源開発が72万2000kW、東京電力リニューアブルパワーが135万kW、コスモエコパワーが100万kW、北海道洋上風力開発合同会社が150万kWの事業計画を公表し、環境アセスメントや海底地盤調査などを進めている。今年10月には、新たに関西電力が最大168万kW、北海道電力が114万kWの事業計画を相次いで公表している。
今年7月に
法定協議会の第2回会合
北海道檜山沖の風況(出典 経済産業省)
今年7月に開催された第2回法定協議会では、近隣の厚沢部町、今金町、奥尻町、乙部町の4つの自治体の町長をオブザーバーとして参加を求めることが了承された。そのあと、専門家から「洋上⾵⼒発電による漁業影響と調査事例」、「⻑崎県五島市沖洋上⾵⼒発電事業漁業影響調査」、「⻑崎県五島市沖洋上⾵⼒発電事業漁業影響調査」、「気象庁の沿岸波浪観測」、「洋上⾵⼒発電による地域・漁業振興策事例」について報告があった。
防衛省からは、檜山沖のごく一部の区域が、航空自衛隊奥尻島分屯基地(奥尻町)と航空自衛隊大湊分屯基地(青森県むつ市)の通信に影響を及ぼす恐れがあるので、発電事業を計画する際は、洋上風車が自衛隊の活動に影響がないこと確実に担保していただく必要があると述べた。
続いて、北海道経済部風力担当局長の西岡孝一郎氏が、今年1月に漁業関係者や地域住⺠向けの勉強会を開催したほか、7月には北海道檜⼭振興局が主催して管内の経済団体などに向けて勉強会を開催したことを報告した。そのうえで、西岡氏は「漁業影響調査の考え⽅や漁業振興策の検討については、法定協議会とは別に、ひやま漁協を中⼼とした協議会の関係者から意⾒を聴取し、事務局で案を作成したい。地域が⽬指すべき将来像、地域振興策の検討においても、法定協議会とは別に、⾃治体中⼼の任意の会議体を設置して議論を進め、事務局で案を作成したい」と述べた。事務局では、第3回以降の協議会で、それぞれの案を公表する考えだ。
DATA
取材・文/高橋健一