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【洋上風力第3ラウンド】 青森県沖、山形県沖の選定結果を徹底分析!

経済産業省と国土交通省は昨年12月、洋上風力第3ラウンドで公募していた「青森県日本海南側」と「山形県遊佐町沖」の選定事業者を公表した。青森沖はJERA系の企業連合、山形沖は丸紅系の企業連合が選定された。2海域とも風車はシーメンスガメサ製だ。

メイン画像:青森県鰺ヶ沢町沖。

青森県日本海南側
JERAが代表企業に


第3ラウンド青森県日本海南側の評価結果の評価結果。(出典:経済産業省)

2つの海域では、昨年1月から事業者を公募していた。このうち、青森県日本海南側では、JERA、グリーンパワーインベストメント、東北電力の3社で構成する「つがるオフショアエナジー共同体」が選定された。発電設備は着床式。発電出力は61万5000kW(1万5000kW×41基、Siemens Gamesa Renewable Energy製)。

同海域には、「つがるオフショアエナジー共同体」と、CI IV Transfer Coöperatief U.A.(デンマーク)、東急不動産などの4社による「⻘森南洋上風力開発合同会社」、ヴィーナ・エナジーが設立した「津軽七里長浜洋上風力合同会社」の3事業体が応札した。すべての事業体が、運転開始予定時期を2030年6月とし、供給価格をゼロプレミアムである3円/kWh以下で提案した。

経産省では「他社では⼗分検討されていないリスクを特定・分析して、具体的かつ有効な対応策が根拠資料とともに示されていること、津軽港をO&M港としての活⽤のみならず、多様な⽅法で活⽤することを検討していることを評価した」としている。

 

 

山形県遊佐町沖
丸紅が代表企業に

第3ラウンド山形県遊佐町沖の評価結果の評価結果。(出典:経済産業省)

山形県遊佐町沖では、丸紅、関西電力、BP Iota Holdings Limited(英国)、東京瓦斯、丸高(酒田市)の5社で構成する「山形遊佐洋上風力合同会社」が選定された。発電設備は着床式。発電出力は45万kW(1万5000kW×30基、Siemens Gamesa Renewable Energy製)。

同海域には「山形遊佐洋上風力合同会社」と、ユーラスエナジーホールディングスなどの5社による「山形鳥海ウインドパワーコンソーシアム」、東京電⼒リニューアブルパワーなど4社による「やまがたゆざコンソーシアム」、九電みらいエナジーなど3社による「ゆざウインドパワー コンソーシアム」の4事業体が応札した。

青森県沖と同様にすべての事業体が運転開始予定時期を30年6月とし、供給価格をゼロプレミアムである3円/kWh以下で提案した。

経産省では「調整⼒確保や系統混雑緩和に資する取り組みに関し、蓄電池の設置などの計画が具体的に示されていること、⼭形県漁協への⼈材派遣による中⻑期にわたる⽔産物の販路拡⼤など、遊佐町漁業の持続的発展につながる具体的な手立てを提案していること、他社と⽐較して商務条件の履⾏の確実性が⾼いオフテイカーをより多く獲得していることを評価した」としている。


WIND JOURNAL vol.8(2025年春号)より転載

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