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【トップインタビュー】浮体式洋上風力発電技術研究組合 寺﨑理事長に聞く

昨年3月に設立された「浮体式洋上風力発電技術研究組合(FLOWRA)」。浮体式洋上風力の市場形成と発展に向けて、世界標準の量産化技術の確立と低コスト化の実現を目指す。寺﨑正勝理事長に今後の展望について話を聞いた。

メイン画像:浮体式洋上風力技術研究組合 寺﨑正勝理事長

<目次>
1.世界標準の量産化技術の確立を目指す
2.海外展開を視野に世界標準の技術を確立

 

世界標準の量産化技術
の確立を目指す

ー設立の目的は
浮体式洋上風力発電のコストとリスク低減に向けての技術開発に取り組む考えです。それだけにとどまらず、地域共生、漁業共生、環境アセスメントなどの課題の解決にも取り組んでいきたいと考えています。

ー重要視している課題は
浮体構造物や係留システムをいかに短期間に大量に製造できるのかに優先的に取り組みたいと考えています。製造の基盤となる産業やサプライチェーンが十分に整っていないことが世界共通の課題ととらえています。私たちは発電事業者として使う側の立場で、産業界のみなさまと一緒に取り組んでいきたいと思っています。

ー浮体式の大規模実証に期待することは
日本海側に2基、太平洋側に1基設置されるわけですが、気象・海象条件が異なるので貴重なデータが得られると期待しています。今回の実証事業では、商用化の段階で大規模な工事ができるのか、設置する部材を円滑につくれるのか、それを支えるサプライチェーンはどのようなものが必要なのかという点を踏まえながら、事業を進めてほしいと考えています。

 

 

海外展開を視野に
世界標準の技術を確立

同組合では浮体式洋上風力発電の共通基盤として「浮体システムの最適な設計基準・規格化などの開発」、「浮体システムの大量、高速生産などの技術開発」、「大水深における係留・アンカー施工などの技術開発」、「大水深に対応する送電技術の開発」、「遠洋における風況観測手法などの開発」の5つのテーマを設定し、それぞれのテクニカルワーキンググループを設置し、研究・開発を行う。このほか、開発した技術・システムの標準化にも取り組む。

浮体式技術研究組合  寺﨑正勝理事長

浮体式洋上風力技術研究組合 寺﨑正勝理事長

ー研究開発の進め方は
5つのテーマを個別に研究・開発するのではなく、全体システムとして機能するように進めていけたらと考えています。さらに海外展開を視野に入れて、研究開発した技術・システムの標準化に取り組みたいと思います。認証機関と連携して、各種審査や認定の簡略化を目指していきます。

ー産業界への期待は
これまで日本を支えてきた製鉄や造船、金属加工などの素材型産業を活用できるという点で、産業界のみなさまには、浮体式の導入拡大を新たなビジネスチャンスにつなげていただけたらと考えています。以前に北九州市響灘地区で、風力発電産業の拠点づくりの事業に関わっていました。この経験を活かして、サプライチェーンのすそ野を広げるとともに、さらに高みを目指す取り組みを進めていきます。

日本国内には優秀な技術者がたくさんいるので、風車の国産化も不可能ではないと思いますが、まずはサプライチェーンの拠点づくりを進めて、足場を固めていくことが重要だと考えています。

FLOWRAの組合企業(2025年4月30日現在)

・INPEX・中部電力・NTTアノードエナジー
・東京ガス・ENEOSリニューアブルエナジー
・電源開発・大阪ガス
・東京電力リニューアブルパワー
・関西電力・東北電力・九電みらいエナジー
・北陸電力・コスモエコパワー・北海道電力
・四国電力・丸紅洋上風力開発・JERA
・三菱商事洋上風力・中国電力
・ユーラスエナジーホールディングス
・東邦ガス


WIND JOURNAL vol.8(2025年春号)より転載

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