注目キーワード

English 日本語

政策・制度

今月から浮体式産業戦略の策定作業を本格化 2040年の導入目標を議論

経済産業省と国土交通省は、今月から浮体式洋上風力発電の導入拡大に向けた産業戦略の策定作業を本格化する。2040年までの全体目標のうちどの程度を浮体式が担うのかについて、初めて目標値が設定される見通しだ。

2020年12月に
第1次洋上風力産業ビジョンを策定

経産省

浮体式洋上風力に関する産業のあり方などを検討

経済産業省と国土交通省は、洋上風力発電の導入拡大に加えて、関連産業の競争力強化、国内産業集積、インフラ環境整備などの相互の「好循環」を実現するため、2020年7月に「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」を設置し、同年12月に「洋上風力産業ビジョン(第1次)」を策定した。

このビジョンでは、30年までに10GW、40年までに30~45GWの洋上風力発電の案件を形成する目標を設定している。再エネ海域利用法に基づいて、24年12月までに着床式洋上風力を中心に計約4.6GWの案件を創出している。「浮体式産業戦略検討会」は、今後、普及拡大が期待される浮体式洋上風力に関する産業のあり方などを検討することを目的としている。


 

官民協議会で
第2次産業ビジョンを取りまとめ

浮体式産業戦略検討会は23年6月に初会合を開催し、23年7月までに5回の会合を開いている。しかし、その後は洋上風力発電をめぐる汚職事件や「政治とカネ」の問題などもあって、会合が開かれていなかった。経産省と国交省は3月に6回目の会合を開くのに続いて、複数回にわたって検討会を開催したのち、官民協議会で「洋上風力産業ビジョン(第2次)」(仮称)を取りまとめる予定。検討会では、浮体式洋上風力に関する国内産業の国際競争力の強化や魅力ある市場形成などに向けた取り組みについて議論する。

政府は、検討会の議論を踏まえ、今後の産業戦略と導入目標を策定し、国内外から投資を呼び込む方針。このなかでは、2040年までの洋上風力の全体目標である30~45GWのうちどの程度を浮体式が担うのかについて、初めて目標値が設定される見通しだ。

DATA

洋上風力の産業競争力強化に向けた浮体式産業戦略検討会


取材・文/高橋健一

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 【洋上風力第3ラウンド】青森県日本海南側の法定協議会、風車設置のレイアウトと漁業影響調査の基本方針を公表
  2. 【トップインタビュー】FLOWRA 欧州の浮体式先進国と連携して世界標準の技術開発を目指す
  3. 風力発電分野で資格取得者が急増!産業用ロープアクセスの国際資格「IRATA」とは?
  4. 国は撤退ドミノを全力で食い止めよ。リスク回避できる魅力ある制度設計を
  5. 【参加受付中!】第5回WINDビジネスフォーラム 「風力発電の安全対策とサプライチェーン構築」
  6. 【ウィンド・パワー・トレーニングセンター】国内初、BSTの講義をeラーニングで、2026年春に提供開始へ
  7. 長崎県五島市沖の浮体式洋上風車 来年1月稼働へ建設大詰め、大型量産化に対応した技術開発も
  8. 【洋上風力第2ラウンド】秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 3年後の運転開始に向け陸上工事が本格化
  9. 大規模蓄電の未来を変える 「CO2バッテリー」
  10. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正