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北九州響灘洋上ウインドファームで風車の据え付け工事が始まる

福岡県の北九州響灘洋上ウインドファームで、ジャケット式基礎に風車を据え付ける工事が始まった。2025年度中の運転開始を目指し、建設工事はいよいよクライマックスを迎えている。

(アイキャッチ画像:海水面からブレードの最高到達点までは約200メートルにのぼる。筆者撮影)

SEP船による
洋上での風車の設置を開始


(風車の据え付けを待つジャケットが立ち並ぶ響灘。筆者撮影)

ひびきウインドエナジーの北九州響灘洋上ウインドファーム(福岡県)で、風車本体の据え付け工事が始まった。昨年秋にジャケット式基礎25基の設置が完了し、基地港湾内で風車のタワーなどを仮組み立てするプレアッセンブリを行っていた。仮組み立てされた風車は、自動昇降式作業台船(SEP船)によって洋上へ運ばれ、基礎に据え付けられる。

今年度中の運転開始を目指す
市民向けのツアーなども実施

北九州響灘洋上ウインドファームは、ベスタス製風車9600kWの合計25基で、最大出力は22万kWだ。ジャケット式基礎は、日鉄エンジニアリングの若松工場(福岡県北九州市)で製作した。北九州市の沖合約2~10キロの海域に洋上風車を設置する。2025年度中の運転開始を目指しており、完成すれば、国内の洋上風力発電所として最大の規模となる。発電した電気は、FIT制度を利用して九州電力送配電へ全量売電する。

ひびきウインドエナジーには、九電みらいエナジー、電源開発、北拓、西部ガス、九電工が出資しており、「地域と歩む洋上ウインドファーム」を目指している。北九州市の環境学習拠点である「北九州市エコタウンセンター」では、市民向けに洋上風力発電見学バスツアーなどを実施している。

北九州市の脇田海水浴場の海釣り桟橋からは、風車を間近に見ることができる。筆者が撮影に訪れた日は、ビジネスパーソンと思われる数名の見学者が訪れており、風車を撮影しながら驚きの声を上げていた。


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

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