WFOが人材育成イベントを継続開催 洋上風力発電の幅広いキャリアとエネルギーの未来を考える機会に
2026/01/27
世界洋上風力フォーラム(WFO)は、日本国内における重点施策として大学生・大学院生などを対象にした人材育成イベントを継続開催している。アジア地域共同代表の渡辺さゆり氏は業界の20年先、30年先を見据えている。
メイン画像:講演する英国大使館 主席商務官 クリーンエネルギー担当 吉田有希氏。提供:WFO
産官学の立場から9名が登壇
幅広い視野の大切さ伝える
WFOは2025年7月、「第3回Offshore Wind Student Day」を都内で開催した。北海道から九州まで15の大学に所属する大学生、大学院生などが、会場とオンラインで50名以上参加した。英国大使館の吉田有希氏が、「大きな変化を伴う決断をする時や、大規模なプロジェクトを動かす際に重要になるのはコミュニケーションです。特に、海外の方々と仕事をする時には、まず、自分の考えをしっかり認識して、それを明確に伝えることが大切だと思います。英語はコミュニケーションを深めるためのツールの1 つであり、意志をしっかり伝達することを重視してほしいと思います」と学生たちに呼びかけた。
WFOは、24年6月にこのイベントを初開催し、今回はアジア洋上風力サミット2025のサイドイベントとして実施した。アジア地域共同代表の渡辺氏は「このイベントは、学生など若い世代に向けて、日頃何気なく使っているエネルギーの未来を考え、洋上風力発電産業における幅広いキャリアの可能性を知ってもらうために開催しています。また、ご登壇者の熱意あるお話から多面的な立場や視点を学び、1つの“正解”を探そうとするのではなく、“自ら考え選ぶ”習慣を身につける機会になればうれしく思います。そして、世界をより良くする方法をエネルギーの視点から考える場となることを願っています」と開催の目的を説明する。

レラテック代表取締役 小長谷瑞木氏。提供:WFO
このイベントは、洋上風力発電の関連企業・団体からの協賛金で運営されている。神戸大学発ベンチャーのレラテックは、初回から継続してイベントに協賛している。同社の小長谷瑞木社長は、風況ライダー機器の研究開発や、産学連携による浮体式洋上風力発電の試験サイトなどの取り組みについて説明し、「風力発電業界は新しい技術を生み出して成長していく業界です。当社は、市場の形成を目標として沖合における風況調査手法の確立に取り組んでいます。多様なプレーヤーが協力して産業の土台を形成していくことが大切であり、みなさんもそのプレーヤーの1人となり、一緒に取り組める日を楽しみにしています」とエールを送った。
この春に大学を卒業してDENZAI E&Cに就職した大谷真彩氏は、会社のスタッフとしてイベントに参加した。大谷氏は、「風力業界の将来性は高いと感じる一方で、学生にとって実際の仕事内容や関わり方を知る機会が少ないのではと感じました。今回のように業界の方から直接話を聞けるイベントを増やし、学生が身近に感じられるような情報発信をすることで、学生が興味を深める機会がもっと増えると思います」と期待を寄せる。
渡辺氏は、「海外で働きたいと考える学生にとっても、洋上風力発電分野には活躍の可能性があると思います。異なる文化や母国語を持つ人々と一緒に働くにあたっては、英国大使館の吉田さんが講演したとおり、コミュニケーションが重要だと考えています。洋上風力発電の未来に向けた取り組みとして、このイベントを一貫して長く続けていきたいと考えています」と話している。WFOは、「第4回Offshore Wind Student Day」を今年3月のWIND EXPO【春】の会場で開催する予定だ。
取材・文/山下幸恵(office SOTO)
WIND JOURNAL vol.9(2025年秋号)より転載









