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カスタマイズ自在! NECネッツエスアイの可視化ソリューションでO&Mコストを低減

洋上風力発電事業の収益性を上げるには、O&Mコストをいかに低減するかが課題だ。NECネッツエスアイの洋上風力モニタリングソリューションは、様々な情報を収集、蓄積し、顧客のニーズに合わせて見える化を提供する構想だ。設備投資や人件費を抑えたO&Mを実現し、事業性の向上に貢献する未来を描いている。

監視や運用のO&Mコストを低減
事業性を上げる“攻め”の予防保全

洋上風力発電のO&Mに求められる情報は多岐にわたる。ブレードやナセルといった発電設備を始めとし、タワーや海中下の躯体、基礎などに加えて、海底ケーブルの状態監視、点検など、枚挙にいとまがない。これらの情報をすべて既存のシステムで確認できるわけではない。

NECネッツエスアイは、多種多様な情報を顧客のニーズに合わせて、収集、蓄積し、活用するソリューションをさまざまな分野にて提供してきたノウハウを踏まえて、洋上風力発電の分野においても同様のソリューションを展開し、O&Mコストを低減する“攻め”の予防保全をアシストする考えだ。


(洋上風力統合モニタリングソリューションの全体像。出典:NECネッツエスアイ)

「洋上風力統合モニタリングソリューションでは、衛星、空中・水中ドローン、監視カメラ、IoTセンサーなどからのデータを一元管理し、お客さまのニーズに応じて監視化する構想を持って開発に取り組んでいます。発電事業者さま、メンテナンス事業者さま、自治体さまなど、お客さまによってほしいデータは異なります。蓄積されたデータの中から、必要な要素を必要な形で可視化して、収益予測も踏まえながら、予防保全に役立てる。これによってO&Mコストの削減を図る狙いです。」と同社の泉水嘉章氏は話す。
情報収集に必要な通信システムも、衛星通信、L5G、LPWAなどマルチコネクティビティとして必要に応じて適材適所で活用しながらネットワークを含めて、統合管理システムの構築から保守・運用までワンストップで行うことができるのも、同社ならではのアドバンテージだ。

観測や監視・点検のコストを削減
カスタマイズ性の高さに強み

洋上風力統合モニタリングソリューションは、今後の技術動向も踏まえながら、顧客のニーズに合わせてカスタマイズし、進化をさせていく方向性だ。

例えば、風車の建設前に必要な風況観測の設備は、膨大な費用と期間が必要となるが、将来的には、衛星による画像データ、観測データをAI解析し、波高、風速、風向などを見える化して、建設に最適なポイントの予測もできうるという。現在は、衛星でのデータ取得頻度が少ないのが課題だが、今後の衛星コンステレーションの普及により、それは解決しうる。そのことにより、洋上に観測設備を建造するコストを抑制できるメリットが生まれる。また、風車設備や海面オイルの流出状況などを確認することなどへの活用にもつながる。

ほかにも、水中ドローンやハイドロフォンでの観測によって運用後の海中環境の監視にかかるコストを抑えることもできうる。従来の海中の構造物や海底ケーブル、船底の状態確認、点検には、ダイバーが起用されることが多い。しかし、それには人件費などのコストが発生し、天候などによって作業できる日時が限られるケースも珍しくない。ダイバーによる作業コストを削減するのに役立つだけでなく、安全面の向上も図ることができる。海中の動画像、海中の音響の解析により、水棲生物のモニタリングだけでなく、海中構造物のリスクの可視化も図る。海中データの利活用により、安心で安全な環境作り、地域貢献にもつなげていきたい考えだ。

日本の洋上風力発電事業は、今後ますます発展していく。O&Mでも同様に、実証事業などのデータやノウハウの蓄積を通じて、最善の方法を模索していかなければならない。こうした側面では、顧客のニーズを反映し、柔軟にカスタマイズできるソリューションが求められる。この先、急成長が予想される洋上風力発電において、NECネッツエスアイは、これまでの海洋市場での知見やノウハウ、様々なパートナリングも活かしながら、洋上風力統合モニタリングソリューションを通じてO&Mの最適化で貢献を図る為に、新たなソリューションの創出に力を入れている。

話を聞いた人

NECネッツエスアイ株式会社
ネットワークインフラソリューション事業本部 
社会基盤システム事業部 
海洋通信システム部 泉水嘉章 氏


文:山下幸恵(office SOTO)

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