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【洋上風力第3ラウンド】青森・山形2海域の公募占用計画を認定 風車レイアウトを正式に公表

経済産業省と国土交通省は昨年12月16日、洋上風力第3ラウンド「青森県日本海南側」と「山形県遊佐町沖」の事業内容などを記載した公募占用計画を認定した。2海域とも運転開始は2030年6月の予定で、風車レイアウトが正式に公表された。

メイン画像:洋上風力第3ラウンド「山形県遊佐町沖」

<目次>
1.青森県日本海南側 この春から陸上工事に着手
2.漁業利用に配慮して 風車をほぼ2列に配置
3.山形県遊佐町沖 来年11月に陸上工事に着手
4.30基の風車を 3列に配置
5.地域振興策で 7つの重点領域

青森県日本海南側
この春から陸上工事に着手


青森県日本海南側の計画概要(出典 つがるオフショアエナジー合同会社)

青森県日本海南側の選定事業者は、JERAを代表企業として、グリーンパワーインベストメント、東北電力の3社で構成する「つがるオフショアエナジー合同会社」。計画によると、発電設備は着床式。発電出力は61万5000kW(1万5000kW×41基、シーメンスガメサ リニューアブルエナジー製)。供給価格はゼロプレミアムである3円/kWh。

青森県日本海南側は2026年4月に陸上工事に着手する。青森港を基地港湾として28年4月から洋上工事に取りかかり、30年6月の運転開始を目指す。O&Mでは、青森港と津軽港(つがる市)を30年1月から55年9月まで利用する。

 

 

漁業利用に配慮して
風車をほぼ2列に配置


事業実施区域と風車レイアウト(出典 つがるオフショアエナジー合同会社)

計画では、41基の風車設置のレイアウトが正式に示された。風車の設置場所を決めるにあたっては、底建網・刺網・底引き網などの位置や、魚礁・定置網の位置、航路、藻場環境などの漁業利用の状況に配慮して、ほぼ2列に配置している。航空自衛隊車力分屯基地のレーダーや、気象レーダー、雨雲レーダーにも配慮したとしている。


事業実施体制(出典 つがるオフショアエナジー合同会社)

事業実施体制は、海底ケーブルの設計・調達・建設は大手ケーブル会社、風車施工と基礎施工は大手建設会社としており、具体的な事業者名を公表していない。風車のO&Mは風車保守契約期間中はシーメンスガメサ・リニューアブル・エナジーと事業会社、契約期間後は事業会社が担う。


基本理念(出典 つがるオフショアエナジー合同会社)

事業会社では、「津軽の⾵を⽇本の⼒に」を基本理念に、(1)津軽の⾵で未来をつなげる、(2)津軽とともに歩み、⻘森の新時代へつなげる、(3)⼈と技術を育て、世界をつなげるの3つの目標を掲げて地域振興や人材育成などに取り組む方針だ。

山形県遊佐町沖
来年11月に陸上工事に着手


山形県遊佐町沖の計画概要(出典 山形遊佐洋上風力合同会社)

山形県遊佐町沖の選定事業者は、丸紅を代表企業として関西電力、東京ガス、丸高、BP Iotaホールディングスの5社が出資する「山形遊佐洋上風力合同会社」。計画によると、発電設備は着床式。発電出力は45万kW(1万5000kW×30基、シーメンスガメサ リニューアブルエナジー製)。運転開始予定時期は30年6月。BP Iota Holdings Limitedは、英国ロンドンに本社を置く BP p.l.c.の100%子会社。

山形県遊佐町沖は2027年11月に陸上工事に着手する。28年4月に基地港湾である酒田港の利用を開始して29年3月から洋上工事に取りかかる。そして、29年7月から風車の据え付けを開始し、30年6月の運転開始を目指す。

30基の風車を
3列に配置


風車レイアウト(出典 山形遊佐洋上風力合同会社)

計画では、30基の風車設置のレイアウトを正式に公表した。風車を10基ずつ、海岸線に平行に3列に配置している。これまでの法定協議会の話し合いで、地域における漁業の状況などに鑑み、海岸線から1海里(1852m)より陸側の海域には海底ケーブルおよびその附属設備を除く洋上風力発電設備など(ブレード回転エリアを含む)を設置しないこと。また、発電事業に支障を及ぼさない範囲で沖側からの設置を検討するとともに、陸寄りの発電設備の基礎などにおいて生じる蝟集効果がサケなどの稚魚に影響を及ぼすことが懸念される場合には、関係漁業者と協議のうえ必要な対策を行うことで合意している。


事業実施体制(出典 山形遊佐洋上風力合同会社)

事業実施体制は、建設段階については陸上・洋上工事、海底ケーブル施工の具体的な事業者名を公表していない。運転段階では、風車のO&Mをシーメンスガメサ・リニューアブル・エナジーが担当するが、それ以外の事業者は明らかにしていない。

地域振興策で
7つの重点領域


地域振興策の概要(出典 山形遊佐洋上風力合同会社)

漁業影響調査の開始時期は着工の2年前とし、26年4月を予定している。調査と並行して、「漁業影響調査検討委員会」の開催と、漁業者のへのヒアリングを実施する。地域振興策としては、海面漁業・内水面漁業・地域の合わせて7つの重点領域を掲げている。

DATA

「青森県沖日本海(南側)」及び「山形県遊佐町沖」における洋上風力発電事業について公募占用計画を認定しました

取材・文/ウインドジャーナル編集部

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