福井県、あわら市沖洋上風力検討へ 船舶航行特性の調査事業者を公募
2026/07/29
福井県は、海洋再生可能エネルギー整備法に基づく準備区域に整理された「福井県あわら市沖」において、「令和8年度あわら市沖洋上風力発電案件形成促進業務」の委託事業者を公募する。対象海域における船舶航行の安全性を確保するための基礎情報を収集・整理する。
メイン画像:福井県あわらし沖
船舶航行特性を
網羅的に把握・整理
日本国内において再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みが進むなか、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関する法律に基づき、全国各地で洋上風力発電の案件形成に向けた調査や協議が展開されている。福井県あわら市沖は、「準備区域」として整理されており、将来的な発電設備の導入に向けた具体的な事業検討を推進することが求められる段階に至っている。
準備区域であるあわら市沖およびその周辺海域においては、地元の漁獲活動に従事する漁船をはじめ、貨物や物資を運搬する海上輸送船や貨物船、旅客を搬送する旅客船に至るまで、極めて多様な運用形態を持つ船舶が日常的に航行している実態が存在する。洋上風力発電設備を導入するにあたっては、設置海域および周辺海域における海上交通の安全性を確保することが不可欠な前提条件となる。今回の事業は、当該海域における船種や船舶規模、通行量、通行時期、さらに時間帯や航路等の詳細な航行特性に関する基礎的な情報を網羅的に把握・整理し、今後の洋上風力発電事業の円滑な検討と安全な海域利用の支援に資することを目的として実施される。

事業概要と
公募の評価内容
今回の公募における業務名は「令和8年度福井県あわら市沖洋上風力発電案件形成促進業務」であり、契約方式は企画提案(プロポーザル)方式を採用している。委託期間は契約締結日から2027年3月19日までと設定されている。事業者は、対象海域における船舶航行実態を精緻に把握するため、既存の公的統計や船舶自動識別装置(AIS)データなどを活用した定量的な解析や現地調査などを組み合わせて基礎データの集積と分析を行うことが求められる。
公募の特徴としては、総合評価に準じた企画提案審査において、単純な価格競争にとどまらず、受託候補者の実施能力や提案内容の妥当性、事業推進体制などが多角的に評価される点が挙げられる。具体的には、類似業務の実績や調査手法の具体性、実効性のある作業スケジュール、さらに高度な解析精度を確保するための体制などが審査対象となる。提案にあたっては、対象海域を航行する多様な船種の特性を考慮し、客観性と信頼性の高いデータ整理手法を提示することが重視される。
調査データを活用して
相互理解と合意形成の基盤に
今回の事業によって収集・整理される船舶航行に関する基礎情報は、今後のあわら市沖における洋上風力発電事業の実現可能性を検証する上で不可欠な基礎データとなる。具体的には、風車構造物の配置計画や工事用資機材の搬入ルートの検討、運用期間中の安全管理体制の構築など、事業計画の策定に向けた各種議論や評価の場面で活用されることが見込まれている。
一方で、海域の先行利用者である漁業関係者や海運事業者などの多様な利害関係者との協調を図りつつ、安全な航行環境と発電事業の両立をいかに達成していくかが重要な課題となる。航行特性の正確な把握を通じてリスク要因を定量的かつ客観的に把握することは、関係者間における相互理解と合意形成プロセスを円滑に進めるための不可欠な基盤となる。福井県は今回の調査で得られる成果を活用し、地域の利用実態と調和した再生可能エネルギーの導入促進に向けた取り組みを継続していく方針である。
令和8年度福井県あわら市沖
洋上風力発電案件形成促進業務
1.契約形態:委託契約(公募型プロポーザル方式)
2.契約期間:契約締結日から2027年3月19日まで
3.提出書類:参加表明書、企画提案書、見積書、会社概要、誓約書等
今後のスケジュール
2026年7月29日:公募開始
2026年8月12日 午後5時:質問の受付締め切り
2026年8月19日:質問に対する回答掲載
2026年8月26日 午後5時(必着):企画提案書等の提出締め切り
2026年9月上旬:企画提案審査会の開催・事業者選定
2026年9月中旬:契約締結、業務開始
2027年3月19日:契約終了

DATA
取材・文/ウインドジャーナル編集部









