注目キーワード

English 日本語

> 国内事例

「ゆくゆくは売り上げの1~1.5割に」、洋上風車向けフォグホーンの伊吹工業

海洋警報装置で国内トップシェアを持つ伊吹工業の新宅章弘社長に、洋上風車向け主力商品のフォグホーン(霧笛)の開発経緯や特長などについて聞いた。

――創業当時の主力商品は。
1922年の創業から来年100周年を迎えます。もともと一般的な電気機器などを製造していたのですが、サイレンの国産化を持ち掛けられて、日本で初めてサイレンを製造したのが当社です。

当社は戦前、戦中は空襲警報のメーカーでした。戦後に本格的にマリンに進出して、今は、ほぼ9割以上が船舶とか海洋向けの装置を作っています。

――防衛省の護衛艦や海上保安省の巡視船などに向けても提供していると。
はい。

――洋上風車向け商品は。
海洋警報装置のフォグホーンです。海上の気象が荒れた時や、視界が悪くなった時に、周りの船に対して、ウインドファームの存在を知らせる安全装置を主力で製造、販売しています。

――特長は。
基本的に海上の非常に条件の厳しいところで使われるということで、まず信頼性です。潮風が当たったり、場合によっては直接波が当たるような場所に設置して、必要な時に確実に作動する必要があります。建屋内に置くことができないので、完全に吹きさらしの状態で、必要な時に確実に鳴る信頼性が一番大きなポイントです。

当社は100年近く警報装置を作っており、かなりの経験がありますので、それを生かして開発した製品です。

――菅義偉首相の「2050年カーボンニュートラル(脱炭素)」宣言は「追い風」ですか。
そうですね。実は以前から洋上風力が日本で今後、伸びていくと考え、この機器自体は10年前に開発しました。やっとこの機器を生かす場ができたと感じています。

――競合は。
洋上の海洋構造物に対して付けるホーンのメーカーは少なく、基本的に世界である程度のボリュームを作っているのは3~4社ぐらいです。日本には基本的にありません。以前、10年ほど前までは海外のものを輸入して付けるケースがありましたが、故障時などに、すぐに修理対応ができないということで、当社が開発をスタートしたという形です。

――競合不在ということは、御社のフォグホーンへの需要が爆発的に増える可能性があるのでは。
必要性を分かっていただけたら、そうなるのではないかと思っています。


フォグホーン設置のイメージ
出典:伊吹工業

――フォグホーンの売上に占める割合は。
今のところは、本数が出ていないので数パーセントです。ゆくゆくは売り上げの10~15%ぐらいになるのではないかと思っています。

話を聞いた人

伊吹工業株式会社
代表取締役社長
新宅章弘氏


取材・文:山村敬一

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.11 | ¥0
2026/9/9発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 洋上風力ラウンド事業の行方 調達算定委で案件形成の方針を整理
  2. ベスタスとEcowendeがIPMA Awardsを受賞、プロジェクト実行力とパートナーシップを評価
  3. 経産省のサイバーセキュリティ対策 風力発電でもゲートウェイ以外の機器に順次対象が拡大されていく方向
  4. 環境省がバードストライク対策を公表、非意図的な改変を回避する取り組みを推進
  5. 【深堀り解説】⼤⽔深・過酷環境実証の都道府県公募が10月30日締め切り 浮体式主要部材 量産化の動きも
  6. 日本風力発電協会と風力エネルギー学会が協定締結、人材育成で産学連携
  7. 【洋上風力第2ラウンド】国産初のモノパイル3基が秋田港に到着、本格的なサプライチェーン構築の第一歩
  8. 北海道檜山沖でセントラル方式の追加調査 事業性を再検討へ
  9. 洋上風力から欧州企業の撤退相次ぐ 事業性の担保が急務
  10. 洋上風力第2ラウンド「秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖」 鹿島建設と五洋建設のSEP船を使用

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.11 | ¥0
2026/9/9発行

お詫びと訂正