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【特集】洋上風力「第3ラウンド」の動向まとめ 青森、山形の2海域を徹底分析!

経済産業省は今年1月、再エネ海域利用法に基づく促進区域で洋上風力発電事業者の3回目の公募を開始した。公募が始まった、青森、山形の計2海域をまとめて紹介する。

第3ラウンドの注目記事

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第3ラウンドの公募状況

第3ラウンドで事業者を公募するのは、「青森県日本海南側」と「山形県遊佐町沖」の2海域。この2海域は、2023年10月に再エネ海域利用法に基づく促進区域に指定された。このうち、青森県日本海南側は、県の西部のつがる市と鰺ヶ沢町の沖合。促進区域は1万375.6haで、着床式の発電出力は60万kWを見込んでいる。

山形県遊佐町沖は、秋田県境にある遊佐町の沖合。促進区域は、吹浦漁港の南側から酒田市との境界にかけての4131.1haで、着床式の発電出力は45万kWを見込んでいる。山形県遊佐町の法定協議会では、海岸線から約1.8kmの範囲には洋上風力発電設備を設置しないことや、沖側からの設置を検討すること、それに事業者は地域や漁業との共存共栄の理念を理解し、信頼関係の構築に努めること、超低周波音などの影響に地域住民から不安の声が示される場合は、必要な措置を検討することなどを意見集約している。

公募占用計画

2海域の公募占用指針(出典 経済産業省)

第3ラウンドの評価基準

第3ラウンドでは、対象となる2区域すべてにフィード・イン・プレミアム(FIP)を適用する。2海域の入札上限価格18円/kWとして、前回の同様の海域よりも1円引き下げた。この理由としては、資本費や運転維持費、撤去費は内外価格差を考慮すべきであること、2海域ともに風況が良いため設備利用率が高まること、原材料価格の上昇などもみられることからIRR(内部収益率)は維持すべきとする一方、陸上風力においてはコスト効率化が進んでいる実態もあり、国民負担の抑制を図りながら再エネの最大限の導入を進めていくため、物価変動リスクに対しても、リードタイムのなかでのコストダウンに向けた事業者の創意工夫を促していくことが重要だとしている。

事業者を選定する際の評価点の配点は、前回と大きな変更はない。評価点全体の240点のうち、「売電単価」に120点、「事業計画の迅速性」と「電力安定供給」に20点、「運転開始までの事業計画」に15点、「事業実施体制・実績」「資金・収支計画」「周辺航路、漁業などとの協調・共生」「地域経済への波及効果」「国内経済への波及効果」「関係行政機関の長などとの調整能力」に各10点、「運転開始以降の事業計画」に5点が配分されている。

第2ラウンドでは、ひとつの事業体が大半の対象海域を落札しないよう1事業者あたりの落札制限を設けた。1事業体あたりの発電・送電容量の上限を計100万kWとする規制を設け、これを超えた場合は新たな落札をできなくした。第3ラウンドでは、落札制限を適用しない。

供給価格については、第2ラウンドと同様に、2海域とも供給価格がゼロプレミアム水準の3円/kWh以下の場合は、一律120点として評価する。運転開始時期については、2海域とも2030年6月30日までの期間は20点、2030年7月1日から2031年3月31日までの期間は10点、2031年4月1日以降の期間は0点としている。

経済産業省の公募ページはコチラ⇩
再エネ海域利用法に基づく洋上風力発電事業者の公募を開始します


取材・文/高橋健一

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