注目キーワード

English 日本語

業界トピック

気象・海象予測情報のプラットフォームを新たに提供[日本気象]

1985年の設立以来、天気予報や気象調査で国内をリードしてきた日本気象。風力発電が進む欧州の技術やノウハウをいち早く取り入れ、日本固有の気象条件に適応させた最先端のサービスを提供している。同社環境・エネルギー部部長の高祖研一氏に話を聞いた。

欧州の技術を導入
風力発電向け気象関連サービス

――サービスの特徴は。
私たち日本気象株式会社は、民間の気象会社であり、1985年に設立以降、天気予報や気象調査を行っています。15年ほど前から風力発電向けの陸上の風況調査を行うようになり、少しずつ高度化してきました。

具体的には、風力発電の分野で先行している欧州の再生可能エネルギーコンサルティング会社と提携し、ドップラーライダー(※注)を用いた調査手法を研究し、日本で展開してきました。現在では、風況調査だけではなく、洋上風力の立地調査や海象調査なども行っており、風力発電事業者より多くの支持をいただいています。

(※注)風によって運ばれる空中の粒子(エアロゾル)を、空中に光を発し、その反射によって測定する機器。

――強みは。
風力発電の技術コンサルタントとして、様々なプロジェクトにサービスを提供してきた実績から、日本国内の海域の特性や地域の実情を踏まえた上で、プロジェクトごとに最適なサービスを提供できることです。

日本では、洋上風力発電所の開発にあたって、漁業関係者への配慮が非常に重要です。また、海象条件も複雑であり、台風や乱流などの気象条件にも対応しなければなりません。

そのためにも技術・ノウハウが必要となりますが、弊社では、数キロ先の風を水平方向にスキャニングできるドップラーライダーなど最先端技術を用いたサービスを、国内環境に合わせた手法を用いて提供しています。


水平照射可能なレーザーを用いて、遠隔地の風の計測が可能なドップラーライダー「Stream Line」の測定範囲(出典:日本気象)

――今後展開するサービスは。
2021年8月に、洋上風力発電事業をサポートする気象・海象予測情報のプラットフォーム「MetOcean Navi(メットオーシャンナビ)」をリリースしました。

船を出したい風力発電事業者などから、洋上風力発電所の設置海域で予想される、波高、うねりなどの海象予測、および接近する台風情報や、風・雷・気圧などの気象予測に関する情報を知りたい、というニーズを受けて開発したものです。

今後も、風力発電事業者が求めるサービスを提供していきたいと考えています。


「MetOcean Navi」(出典:日本気象)

 

話を聞いた人

日本気象株式会社
環境・エネルギー部 部長
高祖研一氏


文:前川正一郎

アクセスランキング

  1. 『WIND JOURNAL』vol.05 9/13発行!
  2. 秋田沖の洋上風車 部品の受注先候補に5社を選定
  3. 洋上風力第2ラウンド 4海域の公募が30日締め切り
  4. 【特集】洋上風力発電「第2ラウンド」の動向まとめ! 秋田、新潟、長崎4海域を分析...
  5. 大規模蓄電の未来を変える 「CO2バッテリー」
  6. 青森県の宮下知事 大規模開発を伴う陸上風力発電への課税を検討
  7. 年間200名超の風車メンテ技術者を育成! リアルな実践で即戦力磨く「FOMアカデミー」...
  8. 石川県輪島市検討協議会「漁業関係者全員の同意が条件」
  9. 洋上風力「第1ラウンド」はすべて三菱商事系が落札! 圧倒的な低価格の理由は?...
  10. 商船三井 蘭の次世代型浮体式洋上風車スタートアップに出資

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.05 | ¥0
2023/9/13発行

お詫びと訂正