注目キーワード

国内事例

ダイヘン、風力発電をはじめとする再エネ活用拡大に貢献

変圧器やパワーコンディショナ、蓄電池システム、電気自動車(EV)用充電システムなどを手掛ける大手重電メーカーのダイヘンは、「脱炭素社会の実現」に貢献するため、風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの活用拡大に貢献する方針を決めた。

脱炭素化への切り札
「Synergy Link(シナジーリンク)」

ダイヘンは2024年3月期の売上高目標を2000億円以上(21年3月期比27%増)に定めた23年度中期経営計画の中で、再生可能エネルギーの活用拡大や環境負荷の低減、EV(電気自動車)の普及推進など、用途別に最適化した標準製品・パッケージの開発をうたった「Green Solutions & Tailored Solutions」を推進すると発表した。

ダイヘンが脱炭素化への「切り札」と位置付けるのが、独自開発した世界初の自律分散協調制御技術「シナジーリンク」だ。従来の街の電気のエネルギーマネジメント(EM)では、高コストな中央監視制御装置(拠点管理サーバーなど)が主流だったが、シナジーリンクを活用することで、機器やシステム同士が自律的に協調(Synergy)してつながり(Link)、エネルギーを最適な状態に導くことができるまったく新しい制御アルゴリズムだ。

シナジーリンクは風力発電や太陽光発電、蓄電池、EV充電機器など、さまざまなEMS(※)機器に適用可能で、簡単・低コストにEMSの構築が実現でき、今後、エネルギーリソースが増加していく脱炭素社会でこそ、威力を発揮するソリューションだ。

ダイヘンがこれまで提案してきたシナジーリンクを活用するEMSは、太陽光発電や蓄電池、EV充電といった脱炭素化に有用なエネルギー設備が、それぞれ自律的に出力を調整して全体の電気エネルギー量を最適な状態に導く。今回、同社のEMS事業部長服部将之氏に、風力発電施設向けに提供するソリューションについて聞いた。

※EMS:エネルギー管理システム

EMSの構築を簡単・低コストに実現する
自律分散協調制御技術
Synergy Link

●分配配置された各機器が自律的に運転を決定、システム全体が最適な運用となる電力制御方式
●電力需要の状態を基に全体誘導指令をリアルタイムに配信。最適な運用が行えるようにプログラミングされた各機器はその指令から最適な出力値を算出し出力
●Synergy Linkで制御されたダイヘンの機器を導入することで簡単にEMSの構築が可能
●各機器が状況に応じて自律的に動作するため機器の追加や取り換えが容易。機器の接続や解列が行われても制御電力総量は目標通りにコントロール

Synergy Linkを搭載した2つのEMS機器
特高変電パッケージ

特高変電所の占有面積を大幅に低減する特高変電パッケージ


大容量蓄電池システム

再エネの出力変動を補償する大容量蓄電池システム

「コンパクト設計」「コスト低減」
「据付期間の短縮」がメリット
特高変電パッケージ

――「特高変電パッケージ」とは。
変電所で使用するパッケージ型の受変電設備です。最大の特長は「特高変電所の省スペース化」です。製品自体のフットプリント(設置面積)が非常に小さく、工事期間を大幅に短縮できることから、コストを低く抑えて運用が開始できるのがメリットです。

もう一つのソリューションは、風力発電向けに独自開発した蓄電池システムです。風力発電は風況次第で出力が急変動することがあります。系統に接続した際、その出力の急変動が、需給バランスや周波数調整などに影響を与える懸念があるため、このほどシナジーリンクを搭載した蓄電池システムを開発しました。このシステムの適切な充放電制御によって、発電所出力の変動緩和を実現します。

風力発電向けの変電所の機器として、メインとなる特高変電パッケージと、変動補償能力を備えた蓄電池パッケージについて、工事を含めて一括で提供させていただきます。

この風力発電向けソリューションの三つの特長が「コンパクト設計」「コストの低減」「据付期間の短縮」です。

一つ目の特長である「コンパクト設計」は、占有面積を従来比で最大70%減らすことができます。これにより、山間部など狭いエリアでも設置可能となることに加え、空いたスペースを他の用途へ活用することができます。

二つ目の「コスト低減」は、工事・運搬などにかかる工数を削減でき、イニシャルコストを最大20%下げることができ、さらにランニングコストの最大40%カットが実現します。

三つ目の特長が「据付期間の短縮」です。連結したGISと特高変電パッケージをトレーラーで一括輸送することにより、現地での特高盤の組み立てや復元作業が不要となり、据付期間を最大70%縮減できます。

当社は、太陽光の大規模発電における特高変電所の工事で多くの実績を持ち、豊富な経験と知見を持っております。風力発電向けにおいても、基礎工事から機器の据え付け、鉄塔設置に至るまで、すべての工事をワンストップで対応することが可能です。

さらに、当社はお客さまに最適な運用をスタートしていただくために、「蓄電池容量シミュレーション」という他社にはない、独自のサービスも、風力発電向けに提供させていただいています。これは、発電設備の規模と事業者さまの要望に応じて、蓄電池の容量を事前にシミュレーションした上で、最適な機器を提案するものです。ぜひ、お気軽にご相談ください。

特高変電パッケージの
4つのメリット

1 基礎面積70%低減
2 イニシャルコスト20%低減
3 ランニングコスト40%低減
4 据付期間70%短縮

■GIS+特高変電パッケージ 一括搬送

●荷下ろしはころ引きで重機不要
●組み立て部分がないので現地試験省略可能(66kV耐圧など高価)
●現地据え付け、組み立て、試験工数が大幅に減少

太陽光・風力の大規模発電における特高変電所の工事事例

基礎工事から機器の据え付け、鉄塔設置にいたるすべての工事をワンストップで対応!

大規模風力発電所向け
変動補償技術

風力発電は風況次第で出力が急変動する。シナジーリンクを用いた蓄電池システムの適切な充放電制御により、発電所出力の変動緩和を実現。

■再エネ発電事業イメージ

「特高変電パッケージ」は変電所の占有面積・コストの大幅な低減と据付期間の短縮を実現。「大容量蓄電池システム」と併用すれば再エネの出力変動をコントロール、さらに効率的な運用が可能。

PROFILE

株式会社ダイヘン EMS事業部長

服部将之氏

問い合わせ

株式会社ダイヘン
大阪府大阪市淀川区田川2-1-11
TEL:06-6390-5530
FAX:06-6308-0944


取材・文:山村敬一

WIND JOURNAL vol.1(2021年秋号)より転載

Sponsored by 株式会社ダイヘン

関連記事

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.02 | ¥0
2022/3/16発行

お詫びと訂正

風力発電業界最新ニュース

アクセスランキング

  1. 洋上風力「ラウンド1」はすべて三菱商事系が落札! 圧倒的な低価格の理由は?...
  2. 脱炭素化の鍵は浮体式洋上風力? 日揮や戸田建設など6社が、懇談会を発足...
  3. 洋上風力ラウンド1を徹底分析『WIND JOURNAL』vol.02 発行!
  4. 三菱商事チームの3海域総取りで激震! 「洋上風力ラウンド1」とは何だったのか?...
  5. CTV(人員輸送船)で洋上風力を支える東京汽船
  6. 青森県沖の有望区域、ヴィーナ・エナジー、四電、東邦ガスが応札に向けタッグ...
  7. 知っておきたい世界や日本における、風力発電の最新・重要データ
  8. 洋上風力ラウンド1の“総取り”で、評価方法はどのように見直される?
  9. ドイツの陸上風車メーカーが日本で初の販売契約、ベンシス・エナジー
  10. 洋上風力ラウンド1は価格の妥当性、事業実現性に課題。地域調整、産業化にも疑義あり...

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.02 | ¥0
2022/3/16発行

お詫びと訂正