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国内事例

CTV(人員輸送船)で洋上風力を支える東京汽船

日本初の国内建造大型船舶型CTVを
秋田港・能代港洋上風車建設案件に投入


走行中の「JCAT TWO」

2022年度、東京汽船はどこに向かおうとしているのか。齊藤氏が、注目すべきトピックを明かしてくれた。

「これまで当社は4隻のCTVを秋田港・能代港洋上風力発電の建設用に運航してきましたが、2022年4月からは新たに「JCAT TARO」を投入します。これまでの大型船舶型CTVはすべて海外建造でしたが、同船は、日本国内の造船所で初めて建造された大型船舶型(国内総トン数20トン以上)のCTVです」。

さらに、同社の取り組みは、CTV事業の枠を超えて発展しようとしている。今後は、より高性能化を図るなどCTVのラインナップを拡充していくとともに、次世代の洋上風力支援船SOV(Service Operation Vessel)の開発にも取り組んでいく方針だ。すでに、同社のコンソーシアムが携わる「風車建設・メンテナンス専用船(SOV)開発プロジェクト」は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化プロジェクトに採択された。

洋上風力発電向け船舶が、同社にとって今後ますます重要な存在になっていくことは間違いない。これからに向けた取り組みについて齊藤氏は述べている。

「CTVをはじめとする洋上風力発電向けの事業を、本業の一つとして育てていきたいと思っています。そのために船の開発と船舶管理を充実させていくことはもちろん、洋上風力向け事業の専門人材を育てることにも力を注いでまいります

洋上風力発電には、ローカルな産業を育成し、地元に雇用を創出するという意義もあります
。私たちは、日本各地の会社さんと一緒になって、それぞれの地域を盛り立てていきたいと考えています。いろいろな方々とのコラボレーションをオープンに行い、知見を皆さんと共有し、黎明期にある日本の洋上風力発電に貢献していきたいと願っています」。

人材募集中。ここでなら
子育てしながら船長もできる

東京汽船は、いま人材を募集している。齊藤氏はこの産業に共感してくれる人を雇いたいと、その想いを語る。

「洋上風力は、世界中の多くの地域で新分野として動き出しています。個人的には末端の事業でありながら、世界とのつながりを実感できるところがいいと思っています。たとえ経験がなくても、洋上風力発電に共感する方々に、ぜひご応募いただきたいと思っています。もちろん、陸海の風力発電に関わっていた方、小さな船舶に関わっていた方、オフショア系の船舶の経験のある方など、事業に関連する業務経験のある方は大歓迎です。新しい産業ですから、昔からの慣行に縛られることなしに、各人の能力を存分に発揮できるようにしたいです。

洋上風力はローカルに根差した産業であり、長期にわたるプロジェクトですから、地元で腰を据えて働きたいという方に相応しい職場です。船乗りの仕事に関しては一般に船での寝泊まりのイメージがありますが、CTVの船員は家や宿泊場所から通います。子育てしながら船員をすることも可能なワークライフバランスに優れた仕事でもあります。

海上従業員・陸上従業員を問わず、興味のある方は、ぜひ一度お問合せください。新しい産業を共に築いていきましょう」。
 

 

PROFILE

東京汽船株式会社 代表取締役社長

齊藤宏之氏

新たに運航を開始する「JCAT TARO」の前で。

問い合わせ

東京汽船株式会社
(本社)神奈川県横浜市中区山下町2番地
TEL:045-671-7711
MAIL:info@tokyokisen.co.jp


取材・文:廣町公則

WIND JOURNAL vol.2(2022年春号)より転載

Sponsored by 東京汽船株式会社

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