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2021年度のFIT認定量、前年比1.5倍に。自家消費こそ脱炭素政策の切り札

FIT太陽光の入札回数や上限価格の公開などについて、制度の見直しが行われた2021年度。速報では、FIT認定量は前年度と比べて1.5倍に伸びた。しかし、2030年度の野心的なエネルギーミックスの達成にはまだ十分な水準ではないという。

FIT認定量が前年比1.5倍に
入札制度見直しの効果か

資源エネルギー庁は、2021年度の太陽光のFIT認定量を約2.4GWと速報した。FIP制度が導入される前年だったこともあり、2020年度の認定量1.7GWと比べると約1.5倍に伸びている。

2021年度にはFIT制度の見直しが行われ、入札の参加要件が若干緩和された。具体的には、太陽光の入札回数が年2回から4回に倍増したほか、非公開だった上限価格も事前に公開されるようになった。FIT認定量が大きく伸びたことについて、こうした制度改正の効果とみる向きもある。

(出典:資源エネルギー庁)

太陽光の導入量については、2021年9月末時点で63.8GWとされている。これに、未稼働案件の75%が稼働すると仮定して13.4GWが追加され、導入量の合計は77.2GWにのぼると同庁は見込んでいる。

なお、未稼働案件の75%が稼働すると想定しているのは、認定失効制度などの対策によって運転開始が進むと考えられているためだ。(参考『未稼働案件のFIT認定失効制度、運転開始期限を見直し。太陽光以外にも適用』)

さらなる積み上げの切り札
オンサイトPPAによる自家消費

しかし、年間約2.4GWという導入量の伸びでは、2030年度のエネルギーミックスの達成には足りないという。

(出典:資源エネルギー庁)

第6次エネルギー基本計画では、2030年度の太陽光導入の目標量を103.5〜117.6GWと設定している。2021年9月時点の導入量63.8GWでは、まだこの目標量の6割にも達していない。

2030年度の目標量に到達するには、残り約40〜50GWの積み上げが必要になる。そのためには、今後、年間4〜6GWの認定量を追加し続けていかなければならない。

そこで、政府は省庁横断的に政策を強化しようと動いている。環境省は、全国の地方自治体に対して、公共施設に再エネ発電設備を導入するよう通知を発出。国土交通省は、空港を脱炭素化の拠点とするガイドラインを策定した。こうした政策によって、それぞれ6GW、2.3GWの導入量が見込まれている。

しかし、もっとも多くの導入拡大が期待されているのは、民間事業者による自家消費の促進だ。オンサイトPPAなどによる自家消費では10GWの導入量が見込まれ、環境省と経済産業省が補助制度で後押ししている。太陽光の自家消費が、事実上、脱炭素化の旗振り役であることに間違いはない。

DATA

資源エネルギー庁 第40回 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会


文:山下幸恵(office SOTO)

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