注目キーワード

English 日本語

業界トピック

日本郵船、秋田県に洋上風力の総合訓練センター設立へ。2024年度を目途

洋上風力発電事業に力を注ぐ日本郵船が、秋田県に総合訓練センターを設立する考えを示した。2024年度を目途に人材育成をスタートする。東北電力グループによる陸上風車の保守作業訓練とも連携するという。

秋田県で風力発電事業の人材育成
東北電力RENESとも連携を予定

日本郵船は9月30日、秋田県に洋上風力発電の総合訓練センターを設立すると発表した。2024年を目途に、洋上風力発電に関する訓練と人材育成を開始するとしている。これは、資源エネルギー庁の「令和4年度洋上風力発電人材育成事業費補助金」による助成事業の公募採択を受けたもので、日本海洋事業とのコンソーシアムによって取り組むとしている。

訓練センターの運営を始めるにあたって、協力企業の東北電力リニューアブルエナジー・サービス(東北電力RENES)や、協力自治体の秋田県および男鹿市と連携して進めるという。将来的には、約1,000人の訓練修了生を輩出することを目指すとした。

訓練センターは、秋田県男鹿市にある県立男鹿海洋高等学校の敷地内・近隣施設を利用する。また、東北電力RENESが秋田市内で行う陸上風車の保守作業訓練とも連携することを予定しているという。

風力発電事業に不可欠な人材育成
地域活性化に向けた期待も大きく

日本郵船は今年2月、秋田県と地域の活性化や県民サービス向上の推進を図る目的で包括連携協定を締結した。協定には、再生可能エネルギー事業に関するものや船に関わる人材の育成に関する内容も含まれている。また、4月には、同社の東北地方における初めての拠点となる秋田支店を開設した。

一方の東北電力RENESは2021年9月、東北電力の火力発電所構内に風力発電設備のメンテナンス技術者を育成するためのトレーニングセンターを設置する考えを明らかにした。このトレーニングセンターでは、陸上風車の点検・修繕のためのメンテナンス訓練のほか、高所作業を安全に行うための基礎訓練を行うとしている。

風力発電事業を持続するにあたっては、運営や保守に携わる人材の育成は不可欠だ。洋上におけるノウハウの豊富な日本郵船らのコンソーシアムと、東北電力グループで培った送配電ネットワークなどの保守に関する知見を組み合わせることで、風力発電事業の発展に大きく寄与すると期待される。

DATA

日本郵船株式会社 プレスリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 台湾から見た日本の洋上風力発電とは、着床式洋上風力発電が進む最前線リポート
  2. 青森県の再エネ共生条例、総務相が同意して10月7日に施行 共生区域への誘導もスタート
  3. 【WIND EXPOリポート③】過酷な現場でも安心して使用できるタブレット・PC
  4. 【洋上風力第3ラウンド】青森県日本海南側 第5回法定協議会を28日に開催
  5. スコットランド気候対策・エネルギー大臣に聞く 日本の浮体式技術開発への貢献に意欲
  6. 長崎県五島市沖の浮体式洋上風車 来年1月稼働へ建設大詰め、大型量産化に対応した技術開発も
  7. ファイバーマックス、合成繊維製浮体係留索の国内製造に向け 秋田県、秋田市と覚書を締結 大水深を視野に製品開発
  8. 【洋上風力第2ラウンド】秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 3年後の運転開始に向け陸上工事が本格化
  9. 【洋上風力第4ラウンド】秋田市沖と福岡県響灘沖を有望区域に、新たに3海域をセントラル方式の調査対象区域に
  10. 【検証】三菱商事、社長会見の一問一答 洋上風力第1ラウンド撤退の背景は?

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正