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東京ガス 福島県沖で浮体式洋上風力発電 国内最大規模

東京ガスと信夫山福島電力(福島市)は2月3日、福島県楢葉町と富岡町の沖合で、浮体式洋上風力発電施設を設置する計画を発表した。風車は2基で、合計出力は最大3万キロワット。実現すれば浮体式では国内最大規模となる。東京ガスが出資する米国のスタートアップ企業の技術を使い、2027年の運転開始を目指す。

浮体式実証研究の
周辺海域に設置


福島県沖で浮体式実証研究事業=2016年7月(出典 経済産業省)

計画では、福島県楢葉町と富岡町の沖合約20キロで、約10キロ平方メートルの海域に2基の風車を設置する。計約2万世帯分の電力供給を目指す。東京ガスと信夫山福島電力は2月3日、経済産業省に環境影響評価方法書を提出し、福島県庁と楢葉町役場、富岡町役場で縦覧を開始した。

福島県沖では、経済産業省が2011~2021年度に浮体式洋上風力発電の実証研究事業を行った。同事業は、丸紅(プロジェクトインテグレータ)、東京大学(テクニカルアドバイザー)、三菱重工業、ジャパンマリンユナイテッド、三井造船、新日鐵住金、日立製作所、古河電気工業、清水建設、みずほ情報総研からなる「福島洋上風力コンソーシアム」が経産省からの委託を受けて実施した。楢葉町の沖合約20キロに3基の風車を設置したが、2020年12月に民間への引き継ぎを断念し、風車や洋上変電所、海底ケーブルなどのすべての設備が撤去された。経産省は、設備の不具合が原因で利用率が低迷したとして、適切な設備を使えば事業化の可能性はあるとの認識を示している。

東京ガスと信夫山福島電力は、実証研究のデータやノウハウを活用することで早期の事業化が目指せると判断した。実証研究が行われた周辺の海域に発電施設を設置する計画で、今後造成工事に向けた水質調査などを実施する。両社は「環境影響評価を通じ、地元の漁業関係者や地域住民のみなさま、関係自治体などと協議を重ね、ご理解を得ながら検討を進めてまいります」とコメントしている。

米スタートアップの技術を活用


欧州で浮体式洋上風力発電事業(出典 プリンシプル・パワー)

風車を搭載する基礎部分には、東京ガスが出資するプリンシプル・パワー(米国)の技術を活用する。同社は、カリフォルニア州に本社を置くスタートアップ企業。洋上風力発電向けの浮体基礎システムであるウインドフロート技術を開発・保有し、英国やポルトガルの沖合で浮体式洋上風力発電事業に参画している。

プリンシプル・パワーが保有するウインドフロート技術はセミサブ型と言われる半潜水プラットフォーム。構造を中空構造にして軽量化しつつ、そのなかに水を満たし、気象環境に合わせて水量を調節・制御する「動バラスト制御」により、洋上での安定性に優れており、浮体基礎の動揺による風車の発電量や耐久性への影響を軽減する効果がある。東京ガスは2020年5月、同社に20億円超を出資し主要株主となった。東京ガスは、プリンシプル・パワーの技術を活用し、国内外で浮体式洋上風力発電の開発を推進していく考えだ。

DATA

東京ガス 福島沖における浮体式洋上風力発電事業の検討開始について

福島洋上風力コンソーシアム


取材・文/高橋健一

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