注目キーワード

English 日本語

業界トピック

台湾シネラ・リニューアブル・エナジーが日本事務所開設

アジア太平洋地域で洋上風力発電事業を展開する台湾シネラ・リニューアブル・エナジー(SRE)が7月25日、新たな拠点として日本事務所を開設したと発表した。今後は、日本国内で多岐にわたる人材を積極的に採用し、事業の拡大を進める方針。

(アイキャッチ画像 東京都千代田区の日本事務所 出典:シネラ・リニューアブル・エナジー)

台湾で洋上風力開発
日本企業も出資参画

2019年に本格操業した「Formosa1」(出典 商船三井)

2019年に本格操業した「Formosa1」(出典 商船三井)

台湾台北市に本社があるSREグループは、アジア全域で洋上風力発電の開発、建設、運営、管理に取り組んでいて、550億ドル以上の運用資産を管理する大手インフラファンド、ストーンピーク(米国)が出資している。

SREは、2012年に台湾で洋上風力プロジェクトに取り組み始めた。2019年12月には、台湾初の洋上風力発電所「Formosa 1」(総出力12万8000kW)が本格操業を開始した。Formosa 1には、日本からJERA、商船三井、東邦ガス、北陸電力の4社が出資参画している。

今年5月には、台湾最大の洋上風力発電所「Formosa 2」が竣工した。Formosa 2は、総出力37万6000kW。SREは、開発段階から操業にいたるまで主要な役割を担った。Formosa 2には、日本からJERAが出資参画している。現在、SREは「Formosa4」、「Formosa5」、「Formosa6」の洋上風力プロジェクトを展開している。

九州の周辺海域で
洋上風力開発を検討

SREは、2021年に自然電力と合弁会社を設立し、九州地方の周辺海域で着床式や浮体式洋上風力発電のプロジェクトを検討している。今回、東京に拠点を置くことで、優秀な人材の獲得を通した事業の拡大に加え、台湾での洋上風力発電の経験や実績をアピールし、日本の再生可能エネルギーの伸展への寄与を目指すとしている。

SREの蘇容儀CEOは、「新型コロナの影響で延期になっていた日本拠点の設立をやっと実現することができました。この重要な第一歩を踏み出せたことをうれしく思います。台湾の洋上風力発電の先駆者であり、アジア太平洋地域における代表的な洋上風力発電事業者であるわが社に、世界各地からより多くの仲間が加わることを願っています。SREは台湾、及びアジア各地の民族性や現地の風習、地理的条件を理解し、多様な文化背景を持つ社員に配慮した開放的でフレンドリーな職場環境と企業文化を醸成し、互いに協力し合うことで、台湾や日本、ひいてはアジア地域のグリーンエネルギーの発展に貢献してまいります」とコメントしている。

DATA

シネラ・リニューアブル・エナジー ホームページ


取材・文/高橋健一

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 洋上風力、事業環境整備の議論を本格化 年内に具体策をとりまとめる方針
  2. 福島県の公募事業、阿武隈風力発電所が運転開始 “地域の交流と防災の拠点に”
  3. 【特集】洋上風力「第1ラウンド」の動向まとめ 第2、第3ラウンドの事業継続は?
  4. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?
  5. 【洋上風力第1ラウンド】秋田沖2海域で法定協議会、経済産業省「年内に事業環境整備の方向性」
  6. 長崎県五島市沖の浮体式洋上風車 来年1月稼働へ建設大詰め、大型量産化に対応した技術開発も
  7. 陸上風力におけるリスクマネジメント 必要とされるO&Mと保険の姿とは
  8. 【第2ラウンド深堀り解説①】第2ラウンド4海域 それぞれ別々の企業連合が選定事業者に
  9. 『WIND JOURNAL』vol.09[2025年秋号]9/17発行!
  10. 【洋上風力第1ラウンド】三菱商事チームの3海域総取りで激震! 「洋上風力第1ラウンド」とは何だったのか?

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正