佐賀県唐津市沖、県が有望な区域への格上げを国に要請「全ての利害関係者が同意」
2024/08/06
佐賀県唐津市沖の洋上風力発電について、佐賀県は、県が想定している漁業団体や航路事業者などすべての利害関係者から同意を得たとして、「有望な区域」への格上げを国に要請したことを明らかにした。
1.2021年度に「準備区域」に整理
2.佐賀県唐津市沖 5事業体が計画公表
2021年度に
「準備区域」に整理
佐賀県唐津市沖の誘致候補海域(出典 佐賀県)
佐賀県と唐津市は、唐津市の5つの離島の沖合約140k㎡を洋上風力発電の「誘致候補海域」に指定している。唐津市沖は、2021年度に「一定の準備段階に進んでいる区域」として整理され、「有望な区域」への早期の格上げを目指している。
佐賀県の山口祥義知事は7月19日の定例会見で、「みんなでいろいろな話し合いをしていたところ、小川島の漁業協同組合で法定協議会の参加を議決いただいたので、佐賀県が考える全ての利害関係者の同意が得られたという段階になり、国へ法定協議会の設置を要請することといたしました」と述べた。
そのうえで、山口知事は、「この洋上風力発電だけで、佐賀県内の家庭用電力8割ぐらいは賄えてしまうという、非常に巨大な発電ができるわけであります。ここから先は、国が法定協議会をつくって、協議が行われるということになっていくわけでありますが、引き続き丁寧に進めていきたいと考えています」と話した。佐賀県唐津市沖は、早ければ今年の秋にも、「有望区域」に格上げされる。
佐賀県唐津市沖
5事業体が計画公表
5つの離島の沖合が誘致候補海域(佐賀県唐津市)
佐賀県唐津市沖では、これまでに関西電力、レノバ、日本風力エネルギー、大阪ガスと差が洋上風力発電、INFLUXの5つの事業体が環境影響評価の手続きを実施している。
唐津市は今年3月、唐津市沖の洋上風力発電事業をめぐって、「有望な区域」への格上げを進めるため副市長をトップとした庁内組織を立ち上げる方針を示していた。経済部、漁業や港湾振興の部署による横断的な体制を立ち上げている。
隣接する伊万里市では今年5月、市や地元企業が参加して関連産業の企業誘致を進める協議会が発足している。誘致を進めるのは、伊万里港がある浦ノ崎地域で、現在は土地の埋め立てが進められている。伊万里市は、官民一体となって伊万里港の周辺の産業振興を図る考えだ。
DATA
取材・文/高橋健一