北海道檜山沖、意見集約の原案提示「拠出金の8割を漁業振興、2割を地域振興に」
2024/11/14
北海道檜山沖の第3回法定協議会が11月8日に開かれ、事務局から意見集約の原案が示された。事業者からの拠出金の8割を漁業振興、2割を地域振興に充てる案が盛り込まれた。
北海道檜山沖
6事業体が計画公表
北海道江差町沖
北海道檜山沖は、せたな町、八雲町、江差町、上ノ国町の4町の沖合の海域。出力規模の想定は約91~114万kW。檜山沖では、これまでに電源開発が72万2000kW、東京電力リニューアブルパワーが135万kW、コスモエコパワーが100万kW、北海道洋上風力開発合同会社が150万kWの事業計画を公表し、環境アセスメントや海底地盤調査などを進めている。今年10月には、新たに関西電力が最大168万kW、北海道電力が114万kWの事業計画を相次いで公表している。
檜山沖の第3回法定協議会は今月8日(金)の午後2時00分から江差町のホテルニューえさしで開催された。法定協議会のメンバーは、経産省や国交省、北海道のほか、せたな町、八雲町、江差町、上ノ国町、漁協関係者などで構成されている。第3回の法定協議会では、専門家からの情報提供のほか、地域の取り組み状況の報告に続いて、事務局から意見集約の原案が示された。
意見集約の原案では、事務局から留意事項として、選定事業者は、地元との共存共栄の理念や、同海域における発電事業が、地域における新たな産業、雇用、観光資源の創出などの価値を有するものであることについて十分に理解し、地元自治体「江差町、上ノ国町、せたな町、八雲町、北海道」とも連携しつつ、地方創生にも資する発電事業の早期かつ確実な実現に努める案が示された。
基金への出捐等の規模(総額)については、選定事業者の公募占用計画で示される発電設備出力(kW)の規模に、kW当たりの単価(250円)と公募占用計画の最大認定期間(30年)を乗じた額、すなわち発電設備出力(kW)×250×30 で算定される額を目安とするとしている。そのうえで、漁業振興策と地域振興策の配分は8対2を基本とすること、地域振興策については、構成員4町(江差町、上ノ国町、せたな町、八雲町)並びに檜山管内全体に関するものをそれぞれおおむね均等に行うこととしている。
拠出金の8割を漁業振興
2割を地域振興に
北海道檜山沖の促進区域案(出典 経済産業省)
会議では、地元の8つの町で組織する地域検討部会から、事業者からの拠出金の8割を漁業振興、2割を地域振興に充て、地域振興策については、構成員4町(江差町、上ノ国町、せたな町、八雲町)並びに檜山管内全体に関するものをそれぞれおおむねね均等に行うこと、洋上風力発電設備の設置位置については、促進区域内の水深20メートルよりも浅い海域には、ブレード回転エリアを含む洋上風力発電設備(海底ケーブルを除く)を設置しないことを基本とし、当該海域に洋上風力発電設備等を設置しようとするときは、特に関係漁業者との丁寧な説明・調整をすること、檜山沖において重要な魚種であるサケについては、漁期にあたる9~10月の期間における工事に当たっては、関係漁業者、地元の漁業に精通した研究機関などへの丁寧な説明・協議を行うことを求める要望が出され、いずれも意見集約の原案に持ち込まれた。
北海道檜山沖は、今年の10月以降に大型の事業計画の公表が相次いでいる。法定協議会では、次回以降に促進区域の指定に向けて意見集約を進めていく方針だ。
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DATA
取材・文/高橋健一