注目キーワード

English 日本語

政策・制度

北海道檜山沖、意見集約の原案提示「拠出金の8割を漁業振興、2割を地域振興に」 

北海道檜山沖の第3回法定協議会が11月8日に開かれ、事務局から意見集約の原案が示された。事業者からの拠出金の8割を漁業振興、2割を地域振興に充てる案が盛り込まれた。

北海道檜山沖
6事業体が計画公表

江差町

北海道江差町沖

北海道檜山沖は、せたな町、八雲町、江差町、上ノ国町の4町の沖合の海域。出力規模の想定は約91~114万kW。檜山沖では、これまでに電源開発が72万2000kW、東京電力リニューアブルパワーが135万kW、コスモエコパワーが100万kW、北海道洋上風力開発合同会社が150万kWの事業計画を公表し、環境アセスメントや海底地盤調査などを進めている。今年10月には、新たに関西電力が最大168万kW、北海道電力が114万kWの事業計画を相次いで公表している。

檜山沖の第3回法定協議会は今月8日(金)の午後2時00分から江差町のホテルニューえさしで開催された。法定協議会のメンバーは、経産省や国交省、北海道のほか、せたな町、八雲町、江差町、上ノ国町、漁協関係者などで構成されている。第3回の法定協議会では、専門家からの情報提供のほか、地域の取り組み状況の報告に続いて、事務局から意見集約の原案が示された。

意見集約の原案では、事務局から留意事項として、選定事業者は、地元との共存共栄の理念や、同海域における発電事業が、地域における新たな産業、雇用、観光資源の創出などの価値を有するものであることについて十分に理解し、地元自治体「江差町、上ノ国町、せたな町、八雲町、北海道」とも連携しつつ、地方創生にも資する発電事業の早期かつ確実な実現に努める案が示された。

基金への出捐等の規模(総額)については、選定事業者の公募占用計画で示される発電設備出力(kW)の規模に、kW当たりの単価(250円)と公募占用計画の最大認定期間(30年)を乗じた額、すなわち発電設備出力(kW)×250×30 で算定される額を目安とするとしている。そのうえで、漁業振興策と地域振興策の配分は8対2を基本とすること、地域振興策については、構成員4町(江差町、上ノ国町、せたな町、八雲町)並びに檜山管内全体に関するものをそれぞれおおむね均等に行うこととしている。

拠出金の8割を漁業振興
2割を地域振興に

北海道檜山沖

北海道檜山沖の促進区域案(出典 経済産業省)

会議では、地元の8つの町で組織する地域検討部会から、事業者からの拠出金の8割を漁業振興、2割を地域振興に充て、地域振興策については、構成員4町(江差町、上ノ国町、せたな町、八雲町)並びに檜山管内全体に関するものをそれぞれおおむねね均等に行うこと、洋上風力発電設備の設置位置については、促進区域内の水深20メートルよりも浅い海域には、ブレード回転エリアを含む洋上風力発電設備(海底ケーブルを除く)を設置しないことを基本とし、当該海域に洋上風力発電設備等を設置しようとするときは、特に関係漁業者との丁寧な説明・調整をすること、檜山沖において重要な魚種であるサケについては、漁期にあたる9~10月の期間における工事に当たっては、関係漁業者、地元の漁業に精通した研究機関などへの丁寧な説明・協議を行うことを求める要望が出され、いずれも意見集約の原案に持ち込まれた。

北海道檜山沖は、今年の10月以降に大型の事業計画の公表が相次いでいる。法定協議会では、次回以降に促進区域の指定に向けて意見集約を進めていく方針だ。

12月12日(木)に開催する「第4回WINDビジネスフォーラム」では、北海道石狩市企業連携推進課の新産業創出担当課長 池内直人氏と、北海道寿都町公営企業企業管理課の風力発電事業係長 土開直樹氏が講演します。


WINDビジネスフォーラム

全国各地で導入が進む洋上・陸上風力発電。北海道石狩市と寿都町の政策責任者、「地域イノベーション論」の研究者、最先端テクノロジーの開発企業などをお迎えして、オンラインイベントを開催します!事前登録のみで無料ご参加いただけますので、お気軽にご参加ください。

DATA

北海道檜山沖 法定協議会


取材・文/高橋健一

アクセスランキング

  1. 第7次エネルギー基本計画、年内に骨子案を固める 脱炭素電源の構成比率が焦点に...
  2. 【洋上風力第2ラウンド】長崎県西海市江島沖 第4回法定協議会を22日に開催...
  3. 【特集】洋上風力「第3ラウンド」の動向まとめ 青森、山形の2海域を徹底分析!...
  4. 【洋上風力第3ラウンド】事業者公募がきょうで終了 少数激戦へ
  5. 北海道檜山沖、意見集約の原案提示「拠出金の8割を漁業振興、2割を地域振興に」 ...
  6. 【第2ラウンド深堀り解説①】第2ラウンド4海域 それぞれ別々の企業連合が選定事業者に...
  7. 【洋上風力第2ラウンド】新潟県村上市・胎内市沖、18MW風車の配置計画図を公表「定期航路や油ガス田に配慮」...
  8. 【 参加無料 】12/12 WINDビジネスフォーラム ~ラウンド最新動向とサプライチェーン構築~...
  9. 地域の合意形成を伴走支援 再エネ導入の新たなモデルに ~ 宮城県 再生可能エネルギー地域共生促進税条例を施行 ~...
  10. 洋上風力第2ラウンド「長崎県西海市江島沖」掘削工法で風車基礎を設置、洋上工事は五洋建設が担当...

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.07 | ¥0
2024/9/11発行

お詫びと訂正