注目キーワード

English 日本語

業界トピック

JERA、英石油大手bpと新会社を設立 グローバルな経営統合の時代に

国内最大の発電事業者のJERAは12月9日、英国の大手石油会社bpと洋上風力発電事業を統合すると発表しました。来年9月をめどに共同で新会社を設立し、両社の洋上風力発電事業を移行させるとしている。

メイン画像 : 署名式の様子(写真提供 JERA)

<目次>
1.洋上風力事業者として世界有数の規模に
2.革新的なパートナーシップで洋上風力の転換期に対応

 

洋上風力事業者として
世界有数の規模に

JERA
署名式の様子(写真提供 JERA)

発表によると、新会社は、開発から所有、運転まで行う洋上風力発電の事業者としては世界有数の規模になる見通し。両社は新会社に対し、2030年末までに最大であわせて8700億円を投じ、日本や欧州などで事業を展開する。

洋上風力発電は、資材価格の高騰により開発コストが上昇し、事業環境が厳しくなっている。両社は、事業を統合して規模拡大を図り、経営体質の強化につなげる考えだ。

新会社の名称は合弁会社「JERA Nex bp」。出資比率50:50で本社はロンドンに置く。JERA Nex bpの設立は、関係当局からの承認など必要な許認可取得等の手続きを経て、来年9月をめどに完了する予定だとしている。

革新的なパートナーシップで
洋上風力の転換期に対応

JERAの可児行夫代表取締役会長Global CEOは、「洋上風力発電事業には大きな成長ポテンシャルがあり、今後エネルギートランジションにおいて重要な役割を担います。なお、同事業は現在転換期を迎えており、本日発表した革新的なパートナーシップは、両社の経営資源、能力、ネットワークを組み合わせた世界トップクラスの洋上風力発電事業社を誕生させ、洋上風力発電事業の長期的な成功に導いてくれるものであると確信しています。本日の発表は、日本、ヨーロッパ、その他の国々における洋上事業に対する当社のコミットメントの表れであり、パートナーシップを重視する当社の再生可能エネルギー事業戦略にとっては、自然な発展です」とコメントしている。

BpのCEO,Murray Auchincloss氏は「当社はJERAと、世界トップ5の事業規模となる洋上風力事業発電事業会社を立ち上げることについて合意できたことを大変嬉しく思います。この事業会社は、我々の株主にとって資本負担の軽いビジネスモデルを維持しつつ、電化社会に貢献できる戦略になるはずです。この新たな革新的プラットフォームの構築に向け、ヨーロッパ・アジア太平洋地域における両社の強みを統合させることを非常に楽しみにしております」と今後の事業に拡大に意欲を示している。

DATA

bpとの洋上風力事業合弁会社JERA Nex bp設立に関する基本合意について


取材・文/高橋健一

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 【洋上風力第4ラウンド】東京都伊豆諸島沖の5海域を準備区域に、大規模浮体式の導入を目指す
  2. 【洋上風力第4ラウンド】北海道松前沖と檜山沖、促進区域の指定案を公告 早ければ8月にも2海域を指定へ
  3. 北海道の環境配慮基準、5月10日で経過措置が終了「再エネ促進区域から保安林を除外」
  4. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?
  5. 経産省がシーメンスガメサと覚書を締結 風力発電のサプライチェーン構築へ
  6. 【洋上風力第4ラウンド】第1ラウンド事業へのFIP適用に厳しい意見が相次ぐ 事業者ヒアリングを実施
  7. 北九州響灘洋上ウインドファームの建設工事が大詰め、この春にも風車の据え付けを開始へ
  8. 秋田市のブレード落下事故、補強板の破損や焦げ跡を確認 破壊との関連を調査
  9. 東京都の小池知事、伊豆諸島沖に国内最大の浮体式導入 系統確保が課題に
  10. 【洋上風力第4ラウンド】北海道檜山沖法定協、促進区域の指定に同意 地域との共存共栄とサケ漁への配慮が条件

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.08 | ¥0
2025/2/19発行

お詫びと訂正