北海道島牧沖 5つの事業体が計画公表、利害関係者との調整が課題
2025/03/28

北海道島牧村の沖合で、関西電力が出力60万kWの洋上風力発電所の事業計画を公表し、環境影響評価の手続きを進めている。島牧沖では、これまでに5つの事業体が計画を公表しているが、利害関係者との調整が大きな課題となっている。
関西電力
北海道沖4海域で計画公表
島牧沖は、北海道南西部にある島牧村の沖合の海域。北海道西方沖の「石狩市沖」、「岩宇・南後志地区沖」、「島牧沖」、「檜山沖」、「松前沖」の5海域は、2023年5月に再エネ海域利用法に基づく「有望な区域」に整理されている。島牧沖では、これまでにシーアイ・スリー・ホッカイドウ・ピーエスと三菱重工業が設立した「北海道洋上風力開発合同会社」が58万5000kW、コスモエコパワーが100万kW、日本風力エネルギーが60万kWの事業計画を公表している。昨年7月にはユーラスエナジーホールディングスが55万kWの計画を公表し、環境影響評価の手続きを進めている。
関西電力は昨年7月、札幌市内に社員が常駐する現地事務所を開設した。同社は、23年2月に石狩市沖で178万5000kW、昨年8月に松前沖で36万kW、昨年11月には檜山沖で168万kWの事業計画を公表している。そして、今年1月にはRWE(ドイツ)の再エネ事業会社「RWE Renewables Japan」とともに島牧沖で60万kWの洋上風力発電所の事業計画を公表し、環境影響評価の手続きを開始した。
石狩市沖と島牧沖で
法定協議会が未設置
北海道石狩市沖
北海道沖では、これまでに「岩宇・南後志地区沖」、「檜山沖」、「松前沖」の3海域で法定協議会が設置されている。このうち、松前沖では昨年7月の法定協議会で促進区域の指定に同意する意見集約をしている。しかし、石狩市沖と島牧沖では、法定協議会が設置されておらず、漁業者をはじめとする利害関係者との調整が大きな課題となっている。
DATA
取材・文/高橋健一