商船三井グループの北拓 長崎の配管・溶接会社と業務提携、専門性の高いO&M人材を育成へ
2025/03/27

商船三井グループの北拓は3月27日、長崎県を拠点に配管加工や溶接工事を展開する森満工業と風力発電のO&M事業に関して業務提携を締結したと発表した。
メイン画像:北拓の風車メンテナンス作業(写真提供 北拓)
1.洋上風力発電を支える技術者集団を形成
2.専門性の高い人材育成を目指す
洋上風力発電を支える
技術者集団を形成
北拓は、風力発電O&Mの国内最大手企業。1970年に北海道旭川市で株式会社北拓クリーニングとして創業した。風力発電施設の計画が各地で具体化し始めたことに着目して1999年、社内に風力発電メンテナンス部門を新設する。その後、陸上風力発電施設の受注を増やし2006年、メンテナンス部門を分社化して株式会社北拓を設立した。いまでは、⽇本に建設されている⾵⾞約2600基のうち、およそ80%にO&Mに関わるサービスを提供している。商船三井が2024年1月に、北拓の過半数の株式を取得して連結子会社にしている。
有限会社森満工業(本社 長崎県長与町)は、長崎県を拠点に配管加工と溶接工事を通じて、造船や火力発電所などの建設工事などに従事してきた。近年は日本全国のみならず世界各国で建設プロジェクトの施工に携わっている。
両社は、風車メンテナンス(点検・修繕)に必要となるスキルを有した技術者を連携して育成し、既存の陸上風力発電設備への対応とともに、将来的には洋上風力発電を支える技術者集団を形成し、再生可能エネルギー産業の発展に貢献することを目指す。
専門性の高い
人材育成を目指す
北拓の林 龍太社長は、「日本の風力発電市場が拡大するなか、当社がこれまで培ってきた風車メンテナンス技術の重要性はますます高まっています。“地域の発展”と“風力発電市場の発展”を支援したいという思いから、地域に密着した実力のある企業との協業を模索してきました。技術者の専門性を一層高め、日本の風力発電産業にも大きく貢献できると確信しています」とコメントしている。
森満工業の満﨑俊二代表取締役は、「当社の品質保証へのこだわり、お客様に満足したサービスの提供、人材教育と個々の能力の最大限の発揮を表現する事業として、今回の協業を通じて、日本の風力発電産業に貢献していきます」と期待を込める。
DATA
取材・文/高橋健一