【洋上風力第1ラウンド】「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」、「由利本荘市沖」法定協議会 地元港湾の積極的な活用を要望
2025/12/09
三菱商事が撤退した洋上風力第1ラウンド「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」と「由利本荘市沖」の法定協議会が11月27日に開かれた。新たな選定事業者に地元港湾の積極的な活用を求めるとともに、地域に還元する基金については合計出力に乗じた金額とする意見をまとめた。
1.再公募に向けて 意見集約案を議論
2.地元に還元する基金 合計出力に乗じた金額に
3.三菱商事が 地域振興策を継続
再公募に向けて
意見集約案を議論

洋上風力第1ラウンド「千葉県銚子市沖」
三菱商事を中心とする企業連合は、2021年12月に洋上風力第1ラウンドで秋田県の「能代市・三種町・男鹿市沖」「由利本荘市沖」と千葉県の「銚子市沖」の3海域をすべて落札した。しかし、三菱商事は今年8月、コストの大幅な増加などを理由に第1ラウンドの秋田県と千葉県の計3海域から撤退する方針を正式に明らかにした。
11月27日に開催された「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」と「由利本荘市沖」の第7回法定協議会では、年明け以降に実施される再公募に向けての意見集約案が示された。このなかでは、(1)選定事業者は、地域や漁業との共存共栄の理念を理解し、丁寧な説明・協議の実施などを通じて、地域や漁業との信頼関係の構築に努めること、(2)選定事業者は、建設、O&Mなどの各事業段階において、地元港湾の積極的な活用を図ること、(3)選定事業者は、地域や漁業との共存共栄の理念のもと、今後設置される基金への出捐などを通じて、発電事業で得られた利益を還元することにより、地域や漁業との協調・共生策を講じることなどとしている。
地元に還元する基金
合計出力に乗じた金額に
発電事業で得られた利益を還元する基金については、これまで「20年間の売電収入見込み額の0.5%」としていたが、ほかの海域と同じ条件にするため、「合計出力(kW)に、1kWあたりの単価(250円)と最大占有期間(30年)を掛けた額」に変更した。
また、発電事業による漁業への影響について十分に配慮するため、建設工事前に2年間の漁業影響調査を実施することとし、発電事業の開始後も少なくとも3年間は継続して実施するとしている。
三菱商事が
地域振興策を継続
「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」と「由利本荘市沖」の法定協議会では特に異論は出されず、意見集約案が了承された。
11月27日の法定協議会では、三菱商事が今後の地域での取り組みについて説明した。このなかで、三菱商事は現在取り組んでいる能代市のAIオンデマンド交通や三種町のSTEAM教育などの施策を着実に完遂する方針を示した。そのうえで、来年度以降の将来施策についても、個別に関係者と協議しながら今年度中に取り組む考えを明らかにした。
DATA
取材・文/ウインドジャーナル編集部
2026年1月16日(金)に開催する「第5回WINDビジネスフォーラム」では、日本風力エネルギー学会 会長で、足利大学総合研究センター特任教授の永尾 徹氏が「日本の風力産業の活性化、国産風車の再興を目指して」をテーマに、風力発電産業の再構築の必要性を訴えます。

いま、日本の洋上・陸上風力発電は大きな岐路に立たされています。大学の研究者や自治体の政策責任者、最先端テクノロジーの開発企業などをお迎えして、オンラインイベントを開催します!事前登録のみで無料ご参加いただけますので、お気軽にご参加ください。









