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政策・制度

環境省、浮体式洋上風力の地産地消と地域ビジネス支援で公募開始

環境省は6月22日、「浮体式洋上風力導入と地域ビジネス促進事業(うちエネルギーの地産地消を目指す地域における計画策定支援事業)」の公募を開始した。地産地消を目指す地域での各種調査や事業性検証、導入計画策定を支援するものである。

<目次>
1.脱炭素化ビジネスの形成と 地域循環共生圏の構築を促進
2.エネルギー活用方法を含む 地域ビジネスのあり方を検討
3.風況や海象の実地調査は加点評価
4.浮体式洋上風力導入と 地域ビジネス促進事業

 

脱炭素化ビジネスの形成と
地域循環共生圏の構築を促進

日本は2020年10月に2050年カーボンニュートラル宣言を行い、2021年5月には改正地球温暖化対策推進法が成立して「2050年までの脱炭素社会の実現」が法律に位置付けられた。「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025改訂版」においても、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入することとされている。

海に囲まれた日本において、最大のポテンシャルを有する洋上風力発電の導入は、地球温暖化対策とエネルギー安全保障の双方に有益であり、その活用が重要である。しかし、浮体式洋上風力発電の導入には、海底地形や海象条件への適合、需要先とのアクセス、環境保全や社会受容性の確保など多種多様な検討が不可欠となる。

本事業は、地域が浮体式洋上風力発電によるエネルギーの地産地消を目指すために必要な各種調査や事業性・二酸化炭素削減効果の検証などを実施し、将来の導入に向け計画を策定することで、自立的な脱炭素化ビジネスの形成と地域循環共生圏の構築を促進することを目的としている。なお、本事業はエネルギー対策特別会計による予算であり、国内のエネルギー起源CO2排出量の削減に貢献する技術開発・実証に限定されている。
 

エネルギー活用方法を含む
地域ビジネスのあり方を検討

本事業の補助対象は、浮体式洋上風力発電によるエネルギーの地産地消を目指す地域において、海底地形・海象条件との適合性や環境保全の確保など、将来の導入に向けた計画策定に資する調査検討を行う事業である。ただし、現時点での想定発電能力が30MW未満のものに限られる。また、本事業は地産地消を目指すものであり、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関する法律における実施可能性の検討を目的とするものではない。

具体的な調査事項として、対象区域でエネルギーの地産地消が可能であることを明らかにするため、文献調査やシミュレーションによる基礎調査、音波探査などの海底地層調査、海底底質調査を実施する。必要に応じて風況や海象の実地調査も行う。さらに地元関係者との協議会等を実施し、供給側と需要側のエネルギー活用方法を含む地域ビジネスのあり方を検討して導入計画を策定する。

事業実施期間は原則3年以内である。複数年度事業では毎年度の達成目標を設定し、年度末に審査委員会による中間評価を行って事業継続の可否を審査する。代表事業者は原則として地方公共団体とする必要があり、地方公共団体以外が代表となる場合は連携に関する協議結果を示す資料の提出が求められる。共同申請時は、連帯責任や役割分担を明記した契約書の写しが必要となる。

今年度の公募における採択件数は1〜2件程度で、1件あたりの予算上限額は2026年度が1億円、2027年度が2億円(仮)、2028年度が1億円(仮)となっており、補助率は補助対象経費の2分の1以内である。
 

風況や海象の
実地調査は加点評価

本事業の審査では、申請内容や調査項目の妥当性、技術の実用性、社会的意義、実施体制、実施計画、目標設定・達成可能性などが総合的に評価される。特に風況や海象の実地調査を行う事業は加点評価される。また、組織全体としてカーボンニュートラル実現に向けた温室効果ガス排出削減目標の設定や「デコ活」への参画、エコ・ファースト制度の認定取得などの取り組みを行っている場合も審査において考慮される。

今後の課題としては、ほかの助成事業との重複排除や法定区域の利用調整が挙げられる。ほかの助成事業と内容が類似する事業は応募できず、採択後であっても重複が判明した場合は取り消されることがある。法定区域を利用する場合は事前に管理者との調整が必要であり、調整未了の場合も採択取消の対象となる。また、環境アセスメントデータベース(EADAS)などを用いて想定区域の自然的状況を確認し、申請書に記載しなければならない。

本事業の成果は広く国民へ情報提供することとされており、完了後は成果を公表するよう努める必要がある。公表に際しては事前に環境省へ確認し、本事業によるものである旨を明示することが義務付けられている。地域ビジネスの形成に向け、適切な計画策定と確実な合意形成を進めることが求められる。
 

浮体式洋上風力導入と
地域ビジネス促進事業

事業名:令和8年度浮体式洋上風力導入と地域ビジネス促進事業(うちエネルギーの地産地消を目指す地域における計画策定支援事業)
対象事業者:地方公共団体、民間企業、独立行政法人、大学法人、一般社団法人・一般財団法人、公益社団法人・公益財団法人等(※共同実施の条件あり)
採択件数:1〜2件程度
予算規模(1件あたり上限):2026年度 1億円、2027年度 2億円(仮)、2028年度 1億円(仮)
補助率:補助対象経費の1/2以内
事業実施期間:原則3年以内
 

スケジュール
公募期間
2026年6月22日(月)〜2026年7月15日(水)15:00必着
書面による事前審査:2026年7月下旬まで
審査委員会によるヒアリング審査:2026年8月中旬
採択課題の決定:2026年9月上旬

 

DATA

令和8年度「浮体式洋上風力導入と地域ビジネス促進事業(うちエネルギーの地産地消を目指す地域における計画策定支援事業)」の公募について


取材・文:ウインドジャーナル編集部

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