浮体式産業戦略検討会の初会合 今年度中をめどに産業戦略と導入目標を策定
2023/06/23
経済産業省と国土交通省は6月23日、有識者や業界団体などで構成する浮体式産業戦略検討会の初会合を開催した。政府は、検討会の議論を踏まえ、今年度中をめどに今後の産業戦略と導入目標を策定し、国内外から投資を呼び込む方針だ。
浮体式洋上風力
産業のあり方を検討
国内産業の国際競争力の強化や魅力ある市場形成ついて議論
経済産業省と国土交通省は、洋上風力発電の導入拡大に加えて、関連産業の競争力強化、国内産業集積、インフラ環境整備などの相互の「好循環」を実現するため、2020年7月に「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」を設置し、同年12月に「洋上風力産業ビジョン(第1次)」を策定した。
このビジョンでは、2030年までに10GW、2040年までに30~45GWの案件を形成する目標を設定した。これまでに再エネ海域利用法に基づいて、着床式洋上風力を中心に計3.5GWの案件を創出している。「浮体式産業戦略検討会」は、今後、普及拡大が期待される浮体式洋上風力に関する産業のあり方などを検討することを目的としている。
6月23日に初会合を開催し、複数回にわたって検討会を開催したのち、官民協議会で「洋上風力産業ビジョン(第2次)」(仮称)を取りまとめる予定。検討会では、浮体式洋上風力に関する国内産業の国際競争力の強化や魅力ある市場形成などに向けた取り組みについて議論する。なお、検討会は個別事業者の経営戦略などに関する内容を含むため非公開とし、議事概要については、後日、経済産業省と国土交通省ウェブサイトに掲載する予定。
今年度中に
浮体式の導入目標を設定
政府は、検討会の議論を踏まえ、今年度中に今後の産業戦略と導入目標を策定し、国内外から投資を呼び込む方針。このなかでは、2040年までの洋上風力の全体目標である30~45GWのうちどの程度を浮体式が担うのかについて、初めて目標値が設定される見通し。
DATA
取材・文/高橋健一