インフロニアHD、日本風力開発の株式取得「一気通貫で再エネ事業を展開」
2024/02/05
前田建設工業の持ち株会社、インフロニア・ホールディングス(HD)は1月31日までに、風力発電大手の日本風力開発の株式を取得して、完全子会社化したと発表した。一気通貫で再生可能エネルギー事業を広く展開する方針だ。
ケイパビリティや強みを
補完・相互活用
株式取得完了後のインフロニア・グループの体制(出典 インフロニア・ホールディングス)
インフロニアHDは、日本風力開発の全株式を所有する JWD ホールディングスの株式とともに、日本風力開発の子会社である複数の事業用 SPC に対する匿名組合出資持分、第三者に売却済みの複数の事業用 SPC に対する匿名組合出資持分又はその株式の譲渡に係る譲渡契約上の地位及び権利義務などを取得する取引が1月31日に完了したと発表した。
インフロニアHDは、「これにより日本風力開発は、インフロニアHDの完全子会社となり、前田建設工業、前田道路、前田製作所と並ぶ重要な事業子会社の 1 社となる。互いに保有している風力発電事業に関するケイパビリティ(企業が全体として持つ組織的な能力)や強みを補完・相互活用することにより、一気通貫で再生可能エネルギー事業を広く展開できる唯一無二の集団となること、ひいては今後更なる拡大が見込まれている風力発電市場において、名実ともにナンバーワンの企業グループとして、カーボンニュートラル実現に向けたあらゆる社会課題を解決し、ともに成長してまいります」としている。
金融機関3行から
2184億円を調達
インフロニアHDは1月17日、日本風力開発の株式取得に向けて金融機関3行からブリッジローン(つなぎ融資)による借り入れで、2184億円を調達すると発表している。日本風力開発は、独立系事業者として国内トップクラスの豊富な開発実績を誇り、これまで国内外で 293 基、総発電容量 570,850kW の風力発電所の開発(2023 年 4 月時点)を手がけている。
DATA
取材・文/高橋健一