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秋田市と石狩市が共同研究会を設立 「国内最先端の新エネルギー産業都市」を目指す

秋田県秋田市と北海道石狩市は今年7月、再生可能エネルギー関連産業の振興に向け、共同研究会を設立した。同研究会は昨年秋に、秋田市側から打診していた。再エネ関連産業の振興を目的に自治体同士が研究会を設立するのは全国で初めて。

<目次>
1.秋田市は再エネ人材育成に着手。石狩市は「REゾーン」を整備
2.地元企業の協業でサプライチェーン構築

 

秋田市は再エネ人材育成に着手
石狩市は「REゾーン」を整備

秋田港湾区域の洋上風車

秋田市と石狩市は7月23日に共同研究会を設立して、記者会見した。再生エネ関連産業の振興を目的に自治体同士が研究会を設立するのは全国で初めて。秋田市の穂積志市長は「互いの強みを共有し、関連産業の集積や人材育成、交流人口の拡大などについて研究を進め、両市の発展につながる取り組みを実現したい」と話した。

石狩市の加藤龍幸市長は「両市および国内の脱炭素化、産業振興に一定の成果が生まれるよう汗を流す。共通の理念、目標に向かって歩みを進める新たな自治体間の連携モデルを構築したい」と述べた。

秋田市では昨年1月に、全国初となる洋上風力発電の大規模商業運転を開始している。石狩市では国内初導入となる8000kWの洋上風車を14基設置して、今年1月1日に商業運転を開始した。両市沖には、洋上風車をさらに建設する計画がある、そのための施策を進めている。

秋田市は、再エネの発電設備の建設・メンテナンスに関する人材育成にかかる費用を補助する制度を設けている。石狩市は、使用電力を再エネ100%でまかなうことを目指すエリア「REゾーン」を設け、再エネ電気を使うデータセンター企業の誘致にチカラを入れている。

ただ、洋上風力発電などの再エネでは、風車などの機器を海外からの輸入に頼るなど、必ずしも地域の産業振興につながっていないとの指摘もある。共同研究により両市のノウハウを共有し、再エネ関連産業の育成や集積を進めることで、人口減少の克服や地域経済の活性化といった共通の目標の達成を目指す。両市の担当課の職員計14人が主にオンラインで定期的に協議を重ねていく予定だ。

地元企業の協業で
サプライチェーン構築

石狩湾新港沖の洋上風車

主な研究テーマは次の3つ。

●浮体式も視野に入れた洋上風力サプライチェーン(供給網)の構築
●地域で作り出した再エネを地元で活用する電力需給モデルの検討
●洋上風力発電見学をツアー化した産業ツーリズムの振興

1つ目のサプライチェーンの構築については、両市の地元企業の協業などを通じ、洋上風力関連産業への参入促進を図る。浮体式の普及も見据え、人材も含めたサプライチェーンの構築に取り組む。

2つ目の再エネ電力を地元で活用する需給モデルの確立に関しては、地域新電力の設立を検討。再エネを活用する企業の誘致活動についても協議し、データセンターをはじめとした電力消費の多い産業を地域の主力産業とすることを目指すとしている。

3つ目の産業ツーリズムの振興では、両市の周遊のパッケージ化や、洋上風力関連産業の人材育成を行うツアープランの検討などを想定している。

洋上風力発電をめぐっては、大型風車などの機器を海外からの輸入に頼っていて、必ずしも地域の産業振興につながっていないとの指摘もある。共同研究により両市のノウハウを共有し、再エネ関連産業の育成や集積を進めることで、人口減少の克服や地域経済の活性化といった共通の目標の達成を目指す。両市の担当課の職員計14人が、主にオンラインで定期的に協議を重ねていく予定だ。

DATA

秋田市新エネルギー産業推進室
石狩市企業連携推進課


取材・文/横山渉

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