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再エネのバリューチェーンを構築、ユーラスエナジー 諏訪部社長に聞く

ユーラスエナジーホールディングスが、テラスエナジーとの経営統合を機に事業領域を拡大している。「つくる」「集める・整える」「届ける」をコンセプトに再生可能エネルギーのバリューチェーン構築を目指す諏訪部哲也社長に、同社の戦略について話を聞いた。

メイン画像:ユーラスエナジーホールディングス代表取締役社長 諏訪部哲也氏

 

<目次>
1.16の国・地域で再エネ事業を展開
2.一気通貫で対応できるバリューチェーンの構築を
3.顧客視点と地域共生を重視して事業を推進

 

16の国・地域で
再エネ事業を展開


ユーラスエナジーホールディングス代表取締役社長 諏訪部哲也氏

1987年に風力発電事業を開始したユーラスエナジーは、「クリーンエネルギーの普及・拡大を通じ、地球環境保全の一翼を担う」という企業理念を掲げて、日本の再エネ業界をリードしてきた。2026年2月現在、16の国・地域で事業を展開し、風力・太陽光発電の連系容量は5GW以上に達している。国内でも2GWを超え、最大規模の風力・太陽光発電事業会社である。

諏訪部氏は2023年4月に社長に就任し、どこよりも安いクリーンエネルギーをつくることを目指して、アフリカでの事業拡大や国内における新たな電力需要の創出などに取り組んできた。2025年4月には、同じ豊田通商グループのテラスエナジーと経営統合し、再エネを「つくる」「集める・整える」「届ける」をコンセプトに、発電事業にとどまらず、蓄電池やエネルギーマネジメントサービスによる需給調整、電力供給、そして電力需要創出まで事業領域を拡大し、新たな事業への挑戦をさらに加速させる方針だ。


再生可能エネルギーのバリューチェーン イメージ図。

 


 
―2023年に社長に就任して注力してきたことは。
発電事業を30年以上続けてきましたが、そのなかで開発能力に関しては一定の自負を持っています。風況などの諸条件が良い場所を見つけて大規模に開発する、メーカーやEPC事業者との交渉力を強めるといった努力をして、安くて競争力のあるクリーンエネルギーをつくることに努めてきました。その一方で、FITの時代が終わってFIPやインセンティブがない時代を迎えると、電気を使っていただくお客さまを自分たちで見つけなければ、せっかく安くてクリーンな電気をつくっても売れないという時代がやってきます。現在は、電気を「集める・整える」「届ける」仕組みづくりに注力しています。

また、ビジネスモデルを多角化し、さまざまな事業で利益を得られる体制の構築も進めています。その一つが、2025年2月から提供開始した陸上風力のO&Mサービスです。我々は風力発電事業を開始した当初から自社でO&Mを実施し技術を磨いてきたので、その技術力を生かして、他社の発電所のオペレーションのお手伝いをできればと考えています。

一気通貫で対応できる
バリューチェーンの構築を


ユーラスエナジーホールディングス代表取締役社長 諏訪部哲也氏

―テラスエナジーとの経営統合の効果は。
これまでのユーラスエナジーは、風力発電の「現場」からスタートしたハード面が強い会社でした。地権者や地元の自治体の方々との関係づくりや開発・運営といったところで強みを発揮してきました。

その一方で、テラスエナジーは通信事業者の子会社からスタートした会社で、ITを使ったエネルギーマネジメントなどのソフト面に強みを持っています。テラスエナジーが培ってきたシステムの開発能力と、両社の発電アセットを組み合わせることで、風力・太陽光において国内最大の連系容量を保有するとともに、自社開発のシステムでマネジメントして再エネを供給する体制が整いました。

―バリューチェーンとはどのようなイメージですか。
再生可能エネルギーを「つくる」機能とは、これまで我々が取り組んできた発電所の開発・建設・運営そのものです。一方、つくった電気を「集める・整える」機能は、アグリゲーションと呼ばれるエネルギーマネジメントの領域にあたります。風力や太陽光、蓄電池といった多様な電源を組み合わせることで、お客さまが必要とする時間に、必要な量の電気を最適なかたちで「集める・整える」役割を担います。そして「届ける」機能では、クリーンエネルギーを必要とするお客さま一人ひとりのニーズに寄り添いながら、我々が集めて整えた電気を確実にお届けします。こうした「つくる」「集める・整える」「届ける」という一連のプロセスを、一気通貫で担うバリューチェーンの構築を目指しています。

―アグリゲーションビジネスにどのように取り組んでいきますか。
発電事業者である我々が自社開発のエネルギーマネジメントシステムを持つことで、お客さまが「こうしてほしい」といった時に、すぐに対応できるメリットがあります。他社から購入してきたシステムだと対応に時間がかかるので、その対応速度の速さが強みになります。今後は、発電能力をさらに増やしていきますが、それだけでなく他社がつくった電気も一緒に取り扱わせていただき、より多くのお客さまにお届けしたい。これからは発電能力だけでなく、再エネ電気の取扱量ナンバーワンを目指していきたいと考えています。

―系統用蓄電池事業にどのように取り組んでいきますか。
全国各地で出力制御が実施されるなか、我々が蓄電池事業に取り組む意味は、「集める・整える」という機能を高めるためです。どこでも実施するわけではなく、我々が発電事業で根差しているエリアを中心に進めていきたい。それが、北海道や九州で系統用蓄電池事業に取り組む理由です。
 


 

顧客視点と地域共生を
重視して事業を推進


北海道の宗谷地域で国内初の風力発電所直結型グリーンデータセンターを開発。

―北海道の宗谷地域で国内初の風力発電直結型データセンターの開発を進めています。
宗谷地域は広大で冷涼な気候であり、AIの台頭で需要が伸びているデータセンターには最適のエリアです。風力発電所の隣接地にデータセンターをつくることで、系統を介さず自営送電線で再エネ電気を直接届ける「グリーンデータセンター」が実現できます。首都圏に集中しているデータセンターは、国の経済安全保障という観点からも分散化が求められています。最近はデータの遅延をほとんど伴わない技術も確立されてきていますので、こうした技術の進歩がデータセンターの分散化を後押ししてくれると期待しています。


ユーラスエナジーホールディングス代表取締役社長 諏訪部哲也氏 

―再エネ業界が直面している課題への対応は。
逆風と言われるような環境変化を強く認識していますが、新たなビジネスチャンスになり得るところもあると思っています。そうしたなかで、我々が大事にしたいのは2点です。ひとつは「顧客視点」。お客さまが何を求めているのかというニーズを把握し、それに応えること。もうひとつは「地域との共生」です。地域のみなさまに対してメリットを示し、信頼関係を築きながら事業を進めていくことを第一に考えています。

―どのような企業を目指していきますか。
単なる発電事業者から脱却し、「脱炭素」や「カーボンニュートラル」というお客さまの大きな課題に応えていける、クリーンエネルギーの総合ソリューションプロバイダーを目指していきたいと考えています。我々1社ではできないことでも、親会社である豊田通商グループはリサイクルや電動化などの分野にも事業展開していますので、グループ全体としてお客さまに最適な提案をしていきたいと考えています。
 


 

問い合わせ


株式会社ユーラスエナジーホールディングス
東京都千代田区大手町一丁目5番1号
大手町ファーストスクエアウエストタワー
TEL:03-5404-5300(代表)            


取材・文:ウインドジャーナル編集部
写真:金子怜史

WIND JOURNAL vol.10(2026年春号)より転載

Sponsored by 株式会社ユーラスエナジーホールディングス

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