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秋田県男鹿市のブレード破損事故 23日からブレード撤去と本格調査を開始

秋田県男鹿市の陸上風力発電設備で発生したブレードの破損事故を受け、発電事業者の「風の王国・男鹿」は、今月23日から破損したブレードを含む3本すべてを撤去し、事故原因の調査を本格化する。保守点検を担う会社は、自社が納入したドイツ・エネルコン社製のすべての風車ブレードを対象に緊急点検を実施している。

メイン画像:秋田県男鹿市でブレードが折れた風車=2026年4月13日

<目次>
1.秋田県知事が 国に緊急要望
2.経済産業省が 14日に現地調査を実施

秋田県知事が
国に緊急要望

男鹿市ブレード
現場は男鹿総合観光案内所から約300m=2026年4月13日

4月12日の午後2時ごろ、秋田県男鹿市船越の陸上風力発電設備で、ブレードが折れているのを近くの住民が発見し、警察に通報した。事故が起きた風車はドイツのエネルコン社製で、地上約78メートルの高さに長さ約40メートルのブレードが設置されており、2016年11月から運転を開始していた。

事態を重くみた秋田県の鈴木健太知事は、事故から2日後の4月14日に経済産業省を訪れ、緊急要望を行った。鈴木知事が特に強調したのは、2025年5月に秋田市で発生した事故との類似性である。いずれの事故もエネルコン社製の風車で発生しており、1年足らずという短期間に同一メーカーの設備が相次いで破損した点に強い懸念を示した。

鈴木知事は、2025年の事故と今回の事故ではブレードの構造や素材が異なると指摘したうえで、前回の教訓を踏まえた点検体制や国の安全基準そのものが十分であったのかを厳しく問い直す必要があるとの認識を明らかにした。要望書では、安全が確認されるまでの周辺への立ち入り制限、早期の原因究明に加え、安全基準の抜本的な見直しを盛り込み、国として責任ある対応をするよう求めている 。

 

 

経済産業省が
14日に現地調査を実施

経産省の赤沢亮正大臣は4月14日の閣議後会見において、2025年の秋田市の事故は落雷による電気系統のスパークが原因であったのに対し、今回の男鹿市の風力発電設備は大きな電流の影響を受けない構造であったと説明した。現時点では明確な原因は不明としながらも、事態の深刻さを踏まえ、同日に経産省関東東北産業保安監督部東北支部の職員3名を現地に派遣した 。

現地調査では、担当職員がブレードの破損箇所や、周囲への飛散物の状況を詳細に確認した。調査には発電事業者の「風の王国・男鹿」のほか、保守点検を担う日立パワーソリューションズ、男鹿市の担当者も立ち会い、非公開で実施された。経産省は事業者側に対し、法定点検の実施状況や日常的なメンテナンス体制についての聞き取りを行い、稼働データをまとめた書類の提出を求めている 。

23日からブレード撤去
本格調査を開始へ

発電事業者である「風の王国・男鹿」の菅原廣悦社長は、4月14日の現地調査に立ち会い、経産省による聞き取りに応じた。同社は事故原因の客観的な分析を行うため、外部の専門家による第三者機関の設置を検討していることを明らかにした。

「風の王国・男鹿」は、今月23日から大型クレーンを用いてブレードの撤去作業を開始し、順調に進めば25日には3本すべてのブレードを取り外す予定だ。事故現場では大型クレーンを現場へ搬入するため、鉄板の敷設などの準備作業が進められている。ブレードを撤去したあとに、事故原因の本格的な調査が開始される。

一方、保守点検を請け負う日立パワーソリューションズは4月16日、自社が納入したすべてのエネルコン社製風車ブレードに対して緊急点検を実施する方針を明らかにした。今回の事故は、再生可能エネルギーの導入拡大が進むなか、設備の経年劣化や設計上の課題、そして点検体制の有効性をあらためて問い直す事例となった。撤去したブレードの調査を通じて、構造的な欠陥があったのか、あるいは想定外の外因が影響したのかが焦点となる。
 

 

DATA

赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

ENERCON 社製風力発電設備ブレード(羽根)の緊急点検について

取材・文/ウインドジャーナル編集部

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