【速報】ベスタスが北九州市に設備拠点計画、国内市場の持続的成長と十分な受注確保が前提
2026/07/10
ベスタスは7月10日、日本国内におけるナセル最終組立工程の移管計画が経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」に採択されたと発表した。計画では専用治具や設備の拠点を福岡県北九州市に配置する。なお、この計画の実行は国内市場の持続的成長と十分な受注確保が前提条件となっている。
メイン画像:北海道石狩湾新港沖に設置されたベスタス製風車
ナセル最終組立工程
設備拠点を北九州市に
北海道石狩湾新港沖に設置されたベスタス製風車
デンマークに本社を置く風力発電機メーカーのベスタスは、現在海外で実施しているナセル組立工程の最終段階を日本国内へ移管する計画を発表した。この計画は経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」の支援対象として採択されている。この国内移管計画に伴い、ベスタスはナセルの最終組立や試験において必要となる専用治具および設備の拠点を福岡県北九州市に設置する方針を明らかにした。
北九州市に設置された拠点の専用治具や設備は、その後各プロジェクトサイトへ展開される計画になっている。この投資および関連活動の実施に関しては、日本の洋上風力市場が継続的に成長すること、ならびに当該ローカルコンテンツを支える日本国内の洋上風力プロジェクトにおけるベスタスの受注状況をはじめとする一定の条件が満たされることが前提条件となっている。

ナセル最終組立工程
国内設置の効果は
ナセル組立工程の最終段階が日本国内へ移管されることにより、日本全国の洋上風力プロジェクトにおけるプレアセンブリ港において、ナセルの最終組立および試験を実施することが可能となる。ベスタスは1993年に日本で初めて風力発電機を納入して以来、国内で累計約2GWの風力発電設備を導入してきた実績を持つ。また、これと同規模の設備に対して運転・保守(O&M)サービスを提供しており、さらに約1GWの設備が現在建設中である。
今回の計画を通じて、ベスタスは市場の発展と受注の拡大に応じる形で、日本のサプライヤーとの連携を一段と強化していく方針を示している。これにより、国内市場において競争力と強靭性を備えた風力発電設備のサプライチェーンの構築に努め、エネルギー安全保障の強化や持続可能な社会の実現への貢献を目指す方針だ。
前提条件をもとに
ロードマップ策定に合意
ベスタスと経済産業省が今年3月に締結した協力覚書には、日本国内における製造拠点の設立に向けた前提条件が盛り込まれている。この協力覚書によると、ベスタスは、日本の洋上風力市場の継続的な拡大、ベスタスによる十分な受注の確保、そして将来の入札に関する明瞭で長期的な見通しの確保という条件のもと、2039年度までに日本国内でナセルの完全組立を実施するロードマップの策定に合意した。
7月10日に発表されたGXサプライチェーン構築支援事業への採択および北九州市への設備拠点設置計画においても、この協力覚書に基づいた前提条件がそのまま適用されている。つまり、日本の洋上風力市場の持続的な成長や、ローカルコンテンツを支える国内プロジェクトでの受注状況といった一定の条件がクリアされることが、今回の投資および関連活動を実際に執行するための前提として不可欠な要素となっている。

DATA
ベスタス、日本の洋上風力市場の持続的な成長および国内における受注状況を踏まえた投資計画について、経済産業省GXサプライチェーン支援プログラムに採択
ベスタスと経済産業省は協力覚書を締結、またベスタスは日本通運およびDENZAIと、サプライチェーン協力強化の覚書を締結
取材・文/ウインドジャーナル編集部









