風車サプライチェーン強靱化へ NEDOが浮体式の生産技術開発を公募
2026/07/31
NEDOは7月23日、風車生産技術研究開発に関する事業者公募の予告を公表した。アジア太平洋地域の気象・海象条件を踏まえた浮体向け風車および部品の国内安定供給と、サプライチェーン強靱化に資する取り組みを推進する。
洋上風力目標達成に向けた
国内調達比率向上と拠点形成
政府は第7次エネルギー基本計画において、2050年カーボンニュートラルの実現とエネルギー安全保障の両立に向け、風力発電の導入拡大を掲げている。とりわけ洋上風力発電は再生可能エネルギー主力電源化への軸として位置づけられ、2030年までに10GW、2040年までに浮体式を含む30から45GWの案件形成目標が設定されている。
また、2025年8月に策定された「洋上風力産業ビジョン(第2次)」では、2040年までの目標として、風車の主要製品であるナセルやブレードの国内製造拠点の形成を通じた国内調達比率65%の達成や、洋上風力関連人材約4万人の育成・確保を掲げている。こうした背景のもと、国内における風車の生産技術や部品供給体制の強靱化が急速に求められている。

アジア太平洋地域の過酷な環境に
対応する風車生産技術の確立
この事業は、アジア太平洋地域の気象・海象条件を踏まえた浮体向けの風車および風車部品の安定供給の実現、およびサプライチェーンの強靱化に資することを目的としている。日本を含むアジア太平洋地域には、欧州諸国とは異なる独自の環境条件が存在する。大型台風をはじめとする激しい気象条件や深い水深といった地域特有の環境条件を克服するためには、それに適応した構造設計や生産技術の確立が不可欠となる。
NEDOは今回の技術開発を通じて、国内における基幹部品の安定的な調達網を整備し、アジア太平洋地域への展開をも視野に入れた製造基盤の構築を目指す。市場ニーズに即した生産体制の整備は、国内の関連事業者にとっても事業機会の拡大をもたらす重要なステップとなる。
サプライチェーン強靱化と
関連事業者の参入機会拡大
今回の研究開発では、ナセルやブレードをはじめとする大型コンポーネントの国内製造拠点形成を支える生産技術の確立が大きなテーマとなる。国内調達比率65%という目標の達成には、主要メーカーのみならず、下請けを担う中小企業や素材・加工メーカーまで含めた総合的な製造力の底上げが欠かせない。
この事業による技術開発が進むことで、部材の調達リスクが軽減され、コスト低減と納期の安定化が同時に期待される。自治体の再エネ担当者や陸上・洋上風力発電の関連事業者にとっても、地域産業の活性化や新たなサプライチェーンへの参入に向けた具体的な道筋を明確にする施策となる。産学官の連携による強固な製造基盤の構築が強く望まれる。
公募の詳細は決定次第、NEDOのウェブサイトなどで順次公開される予定である。事業期間や助成要件、対象となる具体的な開発項目などの詳細な枠組みについては、今後正式に公表される。自治体や関連事業者においては、公募開始を見据えて自社の技術アセットや製造体制の再点検を行い、他企業や研究機関との戦略的な連携、さらには具体的な応募に向けた準備を早期に進めることが求められる。

DATA
取材・文/ウインドジャーナル編集部









