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洋上風力、毎年1~2件受注目指す、日揮

日本政府が掲げる「2050年のカーボンニュートラル(脱炭素)」を踏まえ、洋上風力やグリーン水素・燃料アンモニアなどの事業に注力している企業がある。世界約80ヶ国で2万件を超えるプラント・施設の建設を手掛けた総合エンジニアリング国内最大手の日揮株式会社だ。日揮で風力発電プロジェクトを担当する勝岡洋一氏と玉川直明氏に事業戦略などについて聞いた。

 

日揮は2017年11月から洋上風力発電プロジェクトに取組み始めました。洋上風力のEPC(設計、調達、建設)を遂行することを目指しています。洋上風力はまだ始まったばかりです。国内では経済産業省、資源エネルギー庁などによるルールや法令などの整備が行われており、まさにこれから盛り上がっていくところです。

事業規模、プロジェクトスケールが非常に大きいので、当社のように国内外のプラントなど大型プロジェクトのEPCを遂行してきた実績やノウハウを生かせる強い自信があります。陸上風力では経験豊富なコントラクターが名を連ねていますが、洋上風力ではそれらの企業と競合したり、時には一緒にパートナーシップを結ぶことも考えながら、日本の洋上風力を盛り上げていきたいと考えています。

日揮グループが取り組むプロジェクトの70%が海外案件ですので、海外コントラクターとも非常に強いつながりを持っています。風力業界には多くの海外事業者やコントラクターが参入してきていますが、その中には当社がお付き合いさせていただいている企業がたくさんあり、当社にとって非常に親和性があります。

国内のプロジェクトでありながら、非常にグローバル感の強い洋上風力は、当社にとって、カルチャーがぴったり合っていると思います。

ヨーロッパでは洋上風力がとても盛り上がっており、たくさんの洋上風力発電所が稼働しています。世界と比べると、日本はやはり遅れています。「海に囲まれていて、これだけポテンシャルがあるのに、なぜ日本では洋上風力発電について積極的かつ迅速な開発が行われないのだろうか」と言われますが、まさにこれから日本で洋上風力が急激に盛り上がっていくと思います。

今はその過渡期にあり、ぜひこのタイミングで当社も名前を売り込んで、このマーケットに参入していきたいと考えています。その第1ラウンドがちょうど開幕したばかりです。毎年4~5案件ずつ進んでいくとなると、やはり規模でいけば、毎年少なくとも1GWぐらいの案件の開発が進んでいくことになります。

EPC(設計・調達・建設)を中心にしている当社は、事業者をお手伝いする形です。一番難しいのは、最終的にどの事業者が国から指定されるのか分からないところです。これがオークション(入札)制度の難しいところです。

広く事業者に対応しながら、将来的には国に採択された事業者の下でお仕事ができるように、いろいろな取り組みをしているところです。2020年から21年に公募が行われた第1ラウンド、21年末から22年に行われるとみられる第2ラウンドなど状況を見ながら、当社としての戦略を立てていかなければなりません。
 
――洋上風力分野での戦略は。

日揮グループとして2025年までの中期経営計画に加えて、2040年までの長期ビジョンをまとめて、公表しています。数字としては毎年1~2件の大きな洋上風力案件に絡んでいくことをターゲットにしています。洋上風力は規模が広がっていくので、当社もキャパシティ・アップしてかなければなりません。

洋上風力には「着床式」と「浮体式」の二つのタイプがありますが、今後開発のスピードアップと規模拡大が期待される「浮体式」にもかなり力を入れて取り組んでおり、国内の浮体式洋上風力におけるトップランナーを目指しています。

話を聞いた人

日揮株式会社
理事
ウィンドパワープロジェクト事業部長
勝岡洋一氏

1992年、日揮株式会社入社。国際事業本部建設部に配属後、一貫して海外オイル&ガスのプロジェクトに従事。日揮でのキャリアの半分以上を海外現場で過ごす。主な駐在国はシンガポール、カタール、ベネズエラ、インドネシア、アラブ首長国連邦(UAE)など。オイル&ガス統括本部 プロジェクトマネジメント本部 建設部長代行、ウィンドパワープロジェクト室長を経て2019年より現職。

日揮株式会社
ウィンドパワープロジェクト事業部長代行
玉川直明氏
1984年、日揮株式会社入社。幅広い業界におけるシステム構築、システムコンサルを経て、自動車、医薬品などの製造施設、物流施設のEPC業務に関与した後、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギー発電設備のEPCマネージメントに従事。再生可能エネルギープロジェクト部長、国内発電プロジェクト部長を経て、2019年より現職。


文:山村敬一

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