注目キーワード

English 日本語

国内事例

洋上風車向けボーリング用鋼製櫓を開発、国内初の水深50m対応、川崎地質

1943年の創業以来、物理探査技術や現場計測技術など、さまざまな地質調査技術の開発・適用を手掛けてきた川崎地質はこのほど、国内初となる洋上風力発電事業向けに水深50m対応のボーリング用鋼製櫓(やぐら)を三国屋建設と共同開発した。同社の川井康右氏に聞いた。

洋上風力向けに
広域的な地質調査が実現

――主力事業は。
弊社は社名にある通り、地質調査を専業とする会社で、創業78周年を迎えました。1973年には物理探査部内に海洋調査課(現・海洋調査グループ)を設置し、海洋調査業務に進出しました。国内で唯一、地質調査部門と海洋調査部門の両部門を持つ会社です。

――今回、開発に成功した鋼製櫓とは。
従来の洋上ボーリング調査で使われる鋼製櫓や大型SEP船(自己昇降式作業台船)などの仮設構造物は、調査可能な水深が35m程度だったのですが、事業者さまからは水深50mまでの範囲を広く調べてほしいというニーズがあります。そこで当社は着床式風車の基礎地盤を確実に調査できる櫓を開発しました。

今回開発した櫓は、ボーリングロッドに湾曲が生じる「座屈」事故を防止するための機能を備えています。当社が洋上の地質調査で培ったさまざまなノウハウを生かした仕様となっており、櫓高の大型化や安全面の改良などを通じて、洋上風力発電事業で広域的な地質調査を実現します。

現在、盛んに行われている着床式の地質調査に関して、地質調査と海洋調査の両方の技術者が力を合わせ、ワンストップでお客さまのニーズに応えさせていただいていることが当社の一番の強みです。

話を聞いた人

川崎地質株式会社
事業企画部 再生可能エネルギープロジェクト室
室長
川井康右氏


取材・文:山村敬一

関連記事

鰺ヶ沢町沖
WIND_bizforum

アクセスランキング

  1. 浮体式洋上風力 地産地消ビジネス計画策定事業の公募開始
  2. 【EXECUTIVE INTERVIEW】自営線の敷設にワンストップで対応 エクシオグループ編...
  3. 洋上風力第3ラウンド 、青森、山形の2海域で公募開始 評価基準の配点は変更なし...
  4. 【第2ラウンド深堀り解説①】第2ラウンド4海域 それぞれ別々の企業連合が選定事業者に...
  5. 【第3ラウンドの最新動向】 山形県遊佐町沖は異例の展開、30前後の事業体が参入...
  6. 洋上風力第3ラウンドの建設拠点 青森港、酒田港が基地港湾に指定
  7. 洋上風力第2ラウンド 秋田県八峰町、能代市沖 、JRE、東北電力連合が選定事業者に...
  8. 【第2ラウンド深堀り解説②】ゼロプレミアムの波紋、4海域は大手企業連合が選定事業者に...
  9. 洋上風力「第1ラウンド」はすべて三菱商事系が落札! 圧倒的な低価格の理由は?...
  10. 福島県沖のEEZを含む洋上風力発電調査事業 三菱総研が委託契約候補者に

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.06 | ¥0
2024/2/28発行

お詫びと訂正