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べスタス、業界最先端の風車で日本のカーボンニュートラルに貢献

デンマークに本拠を置く世界第1位の風力発電機メーカー、べスタスの日本法人「べスタス・ジャパン」が「WIND EXPO 2022春」(2022年3月16~18日、東京ビッグサイト)に出展し、日本のカーボンニュートラルへの貢献に意欲を示した。

世界87ヶ国154GWの納入実績、
日本でも642MWが稼働中

べスタスがこれまでに納入した風力発電機は、世界87ヶ国で合計154GWに上り、業界No.1の納入実績を誇る。現在、合計132GWの風力発電機へのサービス提供を通じて、豊富なデータを活用した各種分析・診断、および新技術開発を行い、業界最高水準の風力発電ソリューションを提供し続けている。

日本でも1991年から活動を開始しており、ベスタス・ジャパンは国内における風力発電機の販売、納入・設置、メンテナンスサービスを担う。国内で稼働中の風力発電機は、サービス提供中の設備は461MWに達する。2021年2月、べスタスは三菱重工との合弁会社「MHIべスタスジャパン」を設立し、日本におけるセールスとマーケティング体制を強化。ベスタス・ジャパンは、MHIべスタスジャパンと連携し、風力発電設備の納入・設置・メンテナンスサービスを担っている。

「WIND EXPO 2022春」べスタス・ジャパン出展ブース。

日本初の大型商用洋上風力発電、
地域社会への貢献を重視

べスタスの風車は、日本初の商用規模の洋上風力発電プロジェクトである秋田港・能代港洋上風力発電プロジェクトにも採用されている。既に設置予定の33基が秋田港に到着し、据付作業が始まるのを前に、事前組立作業が進められている。

設置作業においては、電気・土木工事、輸送、陸上・海上クレーンの操作、プロジェクト管理など、多岐にわたり熟練した人材が必要となる。べスタスでは、「風車建設の経験が豊富なベスタスのスタッフと日本の会社のエンジニアの方々が協力して組立作業を実施している」としている。

さらに、「この風力発電所が稼働すると、ベスタスは最長20年間のメンテナンスサービスを提供する予定で、地元に長期的な雇用を創出します。このプロジェクトは、これから多くの洋上風力発電プロジェクトが予定されている日本と秋田県において、将来の洋上風力建設やサービス提供のための環境整備を促進する役割も担うでしょう。ベスタスは、年間約13万戸に相当する電力を供給する秋田能代洋上風力発電プロジェクト、そして現在建設中または今後建設予定の洋上・陸上風力発電プロジェクトを通じて、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにするという日本のカーボンニュートラル目標に積極的に貢献してまいります」と述べている。

秋田能代洋上風力プロジェクトでもべスタスの風車が採用された。

世界で最もサステナブルな企業が、
世界最大規模15MWの風車を開発

WIND EXPOでは、世界最大規模の定格出力15MWという最新機種「V236-15.0MW」の案内もあった。同風力発電機は、43,742㎡という業界最大の受風面積を誇り、サイト条件にもよるが、タービン1基の発電量は最大80GWh/年に達する。長さ115.5mのブレードは60%を超える設備利用率を達成可能であり、より少ないタービン基数で、これまで達成し得なかった年間発電量を得ることができるという。V236-15.0MWプロトタイプは現在製造中で、2022年中に完成予定。設置開始は2025年の予定(ドイツのプロジェクト)となっている。

べスタスは2022年1月、カナダのメディア・投資調査会社コーポレートナイツ社による「世界で最もサステナブルな企業100社」の第1位に輝いた。売上高10億ドル以上の上場企業約7000社から選出されたもので、べスタスのサステナビリティ戦略が高く評価された結果だ。

風車模型も展示され、注目を集めた。

ベスタスグループのプレジデント兼CEOのヘンリック・アンダーセンは、次のように述べている。「ベスタスは、この40年間、当社のパートナー企業が17億トン以上のCO2の排出を防止するのに貢献してまいりました。しかしながら、より持続可能な地球の未来を築くために、私たちはさらなる取り組みが必要です。エネルギー転換が加速する中、ベスタスはパートナー企業と緊密に連携し、この転換が持続可能なかたちで進むよう取り組んでまいります」。


取材・文・撮影/廣町公則

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