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世界で注目! 洋上風力発電における「アラミド繊維」の可能性

過酷な状況下でもしっかりと性能を維持し続ける「アラミド繊維」。長期にわたり安心・安全に使える高耐久性という特徴から、メンテナンス頻度の低減や敷設時の作業性の向上に役立つと期待される。これからの“洋上風力発電事業にうってつけの素材”だと称されるアラミド繊維の魅力を紐解く!

強さは鉄の8倍、軽さは鉄の1/5!
「アラミド繊維」の適用が進む用途

従来、製品の構成部品の主流であるスチールを「アラミド繊維」に置き換えると、どのような変化が生まれるのか。アラミド繊維は、世界の海事産業や国内の土木用途、自動車用途などで採用された実績を持つ。洋上風力発電事業の複数用途において適用が期待できるアラミド繊維のメリットを紹介する。

※単位重量あたりの強度

 

1.「洋上風力発電浮体向け係留索」の長期耐久性と低コスト化


浮体式洋上風力発電の係留索を繊維素材に変えると、軽量化やスチール素材の取り扱いで悩まされるサビの問題の解決が期待される。またアラミド繊維は他の繊維素材と比較して、繰り返し長い期間、張力が加わっても形態が変形しにくい低クリープ特性を持ち、安全性の向上、製品の長寿命化に貢献できる。
 

2.「海底電力ケーブル」の補強


長さ数十キロメートルに及ぶこともある海底電力ケーブル。そのスチール素材を繊維に変えると、軽量化により敷設時の作業効率を大きく改善できる。一般的な繊維の4倍の強度をもつアラミド繊維は、スチール使用時のケーブル径を維持したまま軽量化を実現できる。
 

3.「クレーンペンダント、巻き揚げロープ」の取り回し性


大型クレーンなどのクレーンペンダントにもアラミド繊維が用いられている。スチール製のペンダントに比べ8割ほど軽量になり、運搬や組み立ての作業効率を飛躍的に向上させる。また、腐食しやすいスチール素材に欠かせない定期的なメンテナンスやペンダント交換の手間がアラミド繊維では不要となり、運用コストの圧縮も期待できる。
また滑らかな表面で滑車をスムーズに動かせる巻き揚げロープは海外のみで採用されており、国内では未承認だが、今後の活用に期待がもてる。(2022年8月4日現在)
 

4.「スリングベルト」の作業性


風車ブレードなどを輸送する際の荷吊りには、アラミド繊維のスリングベルトが好適。柔らかで高強度のアラミド繊維は、輸送物を傷つけず安全に運ぶことができる。長時間、強い張力がかかっても繊維が伸びづらい低クリープ特性により、長期間にわたり使用できることも大きなメリットだ。
 

5.「コンクリート(浮体、基礎)」の補強


陸上においてアラミド繊維のコンクリート補強はよく知られているが、今後海洋土木用途においてもその特性に期待が寄せられている。アラミド繊維を用いるメリットの1つ目は、鉄骨をアラミド繊維に代替することで敷設設計・運営において、サビの考慮が不要になる。例えば従来は腐食対策として余分に施工していたコンクリート層を薄くできる。洋上風力発電の基礎は海中に敷設されるため、特に必見のポイントだろう。2つ目は、15〜20mm長に収束加工したアラミド繊維をコンクリートに混ぜ込むことで、ひび割れの抑制や靭性の向上に寄与できる点だ。
 

6.「曳航用ロープ」の高強度および長期安定性


ブレードやパイル支柱などの重量物を運搬する台船等の曳航用ロープには、高い強度が要求される。高強度かつ低クリープ特性のアラミド繊維はロープとしての機能性も高く、大型船の係留索としても利用されている。スチール製ロープと比べ柔らかく、扱いやすいと好評を博している。
 

 

あらためて知る
TEIJIN「アラミド繊維」とは?

アラミド繊維とは、摩擦や熱に強く、鉄より高い強度と低い比重を兼ね備えたハイパフォーマンスなスーパー繊維。日本では道路の補修や橋梁の補強といった土木用途、タイヤやベルト、ホースの補強などの自動車用途など陸上において多く利用されているが、海事産業においてはロープなどの製品として活用される。繰り返し使用への疲労に強く、厳しい使用環境下でも安定した強度を維持できる。破断などのリスクを低減でき、より高い安全性が求められる海上の作業に最適だ。

※単位重量あたりの強度


[写真左]トワロン®/高強度、高弾性率が特徴。エネルギー用途や自動車用途、防護衣料用途といった幅広い領域で30年以上使用されるアラミド繊維の主力製品だ。それぞれの用途に最適な形状へ加工することができる。
[写真右]テクノーラ®/耐疲労性や耐薬品性、耐湿熱性において、トワロン®を上回る高い性能を発揮する、プレミアムなアラミド繊維。単位重量あたり鉄の8倍という優れた強度を活かし、主に自動車用途や産業資材用途で利用される。高い強度を保ちながら軽量化を実現できる。

さらに、アラミド繊維は、リサイクルが可能というサステナブルな素材でもある。現在、使い終えた係船索などを回収し、パルプ状にリサイクルして自動車のブレーキパッドなどに再利用する取り組みが進められている。

ライフサイクル全体で持続可能性を追求するべき洋上風力発電。すでにリサイクル技術が確立され、環境に配慮されたアラミド繊維は、まさにこれからの洋上風力発電事業にうってつけの素材だといえる。

そしてこの度、アラミド繊維において世界トップシェアの企業である帝人が、風力業界に向けてオンラインセミナーを開催する。この機会にぜひ、風力産業期待の高機能素材、に触れてみてほしい。
 
 

世界中で注目、洋上風力産業に貢献する!
8~9月「アラミド繊維×洋上風力のセミナー」開催

 

「次世代風力産業を支える高機能材料のご提案」

8月23日(火)~9月16日(金) 全5回開催

イベントの見どころ!

「アラミド繊維と他素材の違い、海外で適用が検討され始めている用途・背景」が、30分でわかる!
② 「アラミド繊維を使用した製品(ロープやケーブル等)に期待できるメリット」がわかる!
③ 「第2部の内容はリアルタイムで変化」いま知りたいことを具体的に説明

こんな方におすすめ!

✔ 浮体式風力発電における「海中部分の設計・部品検討・保守運営」を担う関係企業様
✔ 「施工や管理コスト削減」に悩んでいる施工事業・関連部材・メーカーご担当者様
✔ 技術革新で、安全性や作業効率性を検討している施工管理者様

 

 

●プログラム

第1部 「風力発電分野へのアラミド繊維の適用と価値について」(25分)

風力発電産業のあらゆる用途にて適用が進むアラミド繊維について、欧州での先行事例を踏まえた帝人株式会社からのプレゼンテーションです。
複数の用途をご紹介しつつ、特に浮体式風力発電にアラミド繊維製係留索を使用した場合に期待できる効果、価値については、過去の実証実験モデルを参考にしながらご紹介を致します。
また海底電力ケーブルにおいては、先行する海外での大陸横断長距離海底ケーブルにてアラミド繊維の検討が進んでいる背景についてお話を致します。

第2部 「ディスカッションパート」(35分)

第1部のプレゼンテーションを土台とし、参加者の皆様とのディスカッションを予定しております。 匿名の選択式アンケートを活用してご興味ある内容へさらに詳しくフォーカス、ないしは弊社仮説に対してご意見を伺いながら、次世代の風力産業に求められる材料性能の検討を深めていきます。

【パネリスト】
帝人株式会社 アラミド事業本部 日本営業統轄 インダストリアル課
金 辰一郎氏、梁 賢晟 (やん ひょんそん)氏

 

●開催日時

\複数開催なので、いつでも気軽に参加できる!/


 

 

セミナー概要

場所:Microsoft Teamsによるオンライン開催
費用:参加費無料
主催:帝人株式会社
 

お問い合わせ

帝人株式会社 アラミド事業本部
セミナー運営窓口担当:杉田
電話番号:090-1883-9836
メールアドレス:teijin-aramid-web@teijin.co.jp
 

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