注目キーワード

English 日本語

業界トピック

人材不足の打開策を 再エネ専門の人材紹介コンサルタントに聞く

風力発電市場の急成長で求人数は2年前の3倍超!風力発電産業の急成長に伴って深刻化する人材不足。その実態や中長期的な必要人材の見通し、人材不足を解決するヒントについて、再エネ専門の人材紹介サービス「Beluga Career」を提供するLeaf Ringの取締役 櫻井和哉氏に聞いた。

2050年の就業者数15万人
風力業界の求人は増加の一途

国内の風力発電市場が急成長する中、人材不足という課題が浮き彫りになっている。中長期的にみて、風力発電産業における必要人材数はいったいどれくらい増えるのか。再生可能エネルギー分野に特化した人材紹介サービス「Beluga Career(ベルーガキャリア)」を展開するLeaf Ringの取締役・櫻井和哉氏は、必要人材数の見通しについて次のように話す。「国際再生可能エネルギー機関の予測によると、パリ協定の1・5℃シナリオに基づく2050年の国内の再エネ産業の就業者数は約80万人。そのうち風力発電産業の就業者数は、19%にあたる約15万人と予想されています。これに対して、2019年時点での再エネ産業全体の就業者数は、わずか約25万人にとどまっています。風力発電産業の急成長にあたって、携わる人材を増やすことは喫緊の課題です」。

実際に、同社のクライアントの求人数も2年前と比べて3倍以上のペースで増えているという。「近年は、異業種からの新規参入が増えています。以前は風力発電産業を専門とするプレーヤーがほとんどでしたが、異業種の参入が増えたことで、足元でも人材のニーズが急拡大しています」。市場の拡大や異業種の参入という背景を受けて、現在、どのような職種の人材のニーズが高まっているのか。櫻井氏は「現在は、陸上風力発電では用地開発やコンストラクシンマネージャー、洋上風力発電では事業開発やO&M(運用・保守)の戦略や企画といった職種のニーズが主に高まっていますが、こうしたニーズは今後の事業フェーズなどによって変化していくでしょう」と説明する。

 

Beluga Careerの3つの強み

① 登録者全員が風力業界への興味・関心が高い
人材の登録では、脱炭素分野に特化したマーケティングを実施。業界に興味・関心の高い求職者が多数登録している。

② 専門性の高い特殊なポジションに対応
他の人材紹介サービスでは対応が難しい、環境アセスメントなど専門性が必要なポジションにも対応できる。

③ 業界・企業・求人への高い理解度
独自の社内研修を実施し、業界に精通したコンサルタントが、採用要件に合致する求職者を紹介。

主な登録者の所属業界

即戦力になる!登録人材の一例

採用までの5ステップ

 

推進力ある人材の獲得が急務
風力専門の採用支援で後押し

人材不足の解決策として、再エネ分野に特化した人材紹介サービス「ベルーガキャリア」では、風力発電の専門チームを組成してサービスを提供している。櫻井氏は取締役として専門チームを束ねるとともに、自身も現役のコンサルタントとして採用支援に携わっている。ベルーガキャリアに登録する人材の共通点は、地球温暖化対策に関心が高く再エネ産業を成長分野と捉えていることだが、櫻井氏によると、風力発電分野で活躍する人材にはもう1つの共通点があるという。「風力発電分野で求められているのは、チャレンジ精神が旺盛でチームワークがよい人材。マニュアルがない中でも、手探りでチームと一緒に事業を組み立てていける人材が実際に活躍しています」。ベルーガキャリアで採用を支援した人材の一例として、小売業の店舗開発を行っていたA氏は、子どもの誕生を機に将来に役立つ仕事として風力発電事業を志望し、ベルーガキャリアへ登録した。また、B氏は大手の総合商社でさまざまな事業を経験した後、再エネ事業に取り組みたいとベルーガキャリアへ登録し、コンサルタントのマッチングによって外資系エネルギー企業に転職。国内向けの再エネ部門を新しく立ち上げることに成功したという。

櫻井氏は、クライアントの採用支援にあたっては「求職者の風力発電に対するイメージと現実のギャップを埋めることが重要」とし、発電所見学など社内研修を積極的に行ってコンサルタントの風力発電産業への理解を深めている。「ベルーガキャリアでは、事業開発やエンジニアだけでなく、風況調査、環境アセスメント、海洋土木など高い専門性が求められる風力発電特有の職種の採用支援にも力を入れています。人材不足の解決を通じて風力発電産業の成長の一助になりたい」と櫻井氏は意気込む。

 

PROFILE

Leaf Ring 株式会社
取締役

櫻井 和哉氏


 
立命館大学法学部卒業後、大和証券株式会社にてM&Aや財務アドバイザー、IPO支援業務に従事。2017年にIoTスタートアップに取締役CFOとして参画。2020年までで売上高も入社時から3倍以上に成長。2018年2月にLeaf Ring 株式会社を設立し、取締役に就任。現在も風力業界を中心に現役のコンサルタントとしてクライアントの採用支援に従事。
 

Beluga Career

 

問い合わせ

Leaf Ring株式会社
東京都港区南青山一丁目12番3号
LIFORK MINAMI AOYAMA S101
TEL:03-6775-9911
MAIL:info@leafring.jp


取材・文/山下幸恵(office SOTO)

WIND JOURNAL vol.05(2023年夏号)より転載

Sponsored by Leaf Ring株式会社

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. ファイバーマックス、合成繊維製浮体係留索の国内製造に向け 秋田県、秋田市と覚書を締結 大水深を視野に製品開発
  2. スコットランド気候対策・エネルギー大臣に聞く 日本の浮体式技術開発への貢献に意欲
  3. 青森県の再エネ共生条例、総務相が同意して10月7日に施行 共生区域への誘導もスタート
  4. 【WIND EXPOリポート③】過酷な現場でも安心して使用できるタブレット・PC
  5. 長崎県五島市沖の浮体式洋上風車 来年1月稼働へ建設大詰め、大型量産化に対応した技術開発も
  6. 【検証】三菱商事、社長会見の一問一答 洋上風力第1ラウンド撤退の背景は?
  7. 【洋上風力第2ラウンド】秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 3年後の運転開始に向け陸上工事が本格化
  8. 【洋上風力第4ラウンド】秋田市沖と福岡県響灘沖を有望区域に、新たに3海域をセントラル方式の調査対象区域に
  9. 【WIND EXPOリポート②】施工コストの低減につながる地盤解析ソフトウェア
  10. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正