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商船三井 蘭の次世代型浮体式洋上風車スタートアップに出資

商船三井は9月11日、次世代型浮体式洋上風車を開発するオランダのスタートアップ企業「TouchWind」に出資したと発表した。将来的には、欧州をはじめ日本を含むアジアでも次世代型浮体式洋上風車のサプライチェーン内での事業機会獲得を目指す。

(アイキャッチ画像 TouchWind社の浮体式洋上風車のイメージ 出典:商船三井)

傾斜したローターが
最大の特徴

TouchWind社の浮体式洋上風車イメージ(出典 商船三井)

TouchWind社の浮体式洋上風車イメージ(出典 商船三井)

TouchWindは2018年にオランダ、アムステルダムで設立され、現在はアイントホーフェンを拠点とする浮体式洋上風車開発のスタートアップ企業。同社が独自に設計・開発する次世代型浮体式洋上風車は、傾斜したローターが最大の特徴だ。大規模なウィンドファームで発生しがちな風車間の風の干渉を低減し、ウィンドファーム全体の発電効率を改善することが期待されている。それにより、強風での運転、風車と浮体部分の重量低減が可能で、風車の設備利用率の向上、製造・運転・保守コストの軽減、総発電コストの低減が期待される。

TouchWindは、2019年からオランダ政府の補助金や賛同企業の協力を得て実証試験を進めてきた。このたび、オランダ政府企業局から補助金を受け、ローター径6mの風車(出力12kW)を最大10基製作し、2024年から2025年にかけて、同国内の陸上と海上で、風車間の風の干渉を低減する効果検証試験を行う予定。

欧州とアジアで
事業機会獲得を目指す

商船三井はTouchWindへの出資参画により、同社の風車の実用化に向けた技術開発を進め、将来的には欧州をはじめ日本を含むアジアでも次世代型浮体式洋上風車のサプライチェーン内での事業機会獲得を目指す。今年4月に策定した「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」に基づき、2050年までのネットゼロ・エミッション実現を目標に掲げ、持続可能な世界をつくるため、再生可能エネルギー事業などの推進を通じて、自社のみならず社会からのGHG排出削減にも貢献していくことにしている。

DATA

次世代型浮体式洋上風車の開発を行うオランダ・TouchWind社に出資参画

商船三井グループ 環境ビジョン2.2


取材・文/高橋健一

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