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北海道の鈴木知事 洋上風力や水素の利活用に関する規制緩和を国に提案へ

北海道の鈴木直道知事は1月24日、洋上風力発電の導入促進や水素の利活用に関する規制緩和を国に提案する考えを明らかにした。市町村や関係団体などの意見を聞き、札幌市とも連携しながら具体的な内容を検討していく方針だ。

札幌市が水素貯蔵の
規制緩和を要望

札幌市役所

札幌市が「資産運用特区」の選定を申請

札幌市の秋元克広市長は1月23日、「資産運用特区」の選定を申請する提案書を金融庁へ提出した。資産運用特区は、政府が目指す資産運用立国の実現に向け、海外資産運用会社の新規参入や業務の拡充を促すために新設する特区。金融庁は1月16日から特区選定を希望する地方公共団体から提案を募り、札幌市のほか、東京と大阪、福岡の3都市も申請を検討している。

札幌市は、提案書のなかで、再生可能エネルギーを活用して道内各地にGX産業を集積させ、その投資に関する金融機能を札幌市に集積させる。そのなかで道内の風力発電を使って水素を生産し、札幌で消費する供給網の構築を目指す。投資マネーを集めて資金を供給し、事業が成長すれば投資家も潤う仕組みをつくるとしている。取り組みの実現に向けて、秋元市長は水素の貯蔵上限緩和などの規制緩和を国に要望している。

環境アセスの効率化や
水素保安検査の簡略化を要望

北海道の鈴木知事は1月24日の記者会見で、「道としては、集めた投資を全道各地でのGX関連事業につなげていくということが重要と考えている。Team Sapporo-Hokkaidoの取り組みを進めるうえで、札幌市の提案のうち、GXに関わる部分、具体的には、水素の利活用や洋上風力発電の導入促進に向けた国に対する規制緩和などの提案について、全道域に拡大する変更提案を検討したいとい考えています」と述べた。具体的には、洋上風力発電の環境影響評価手続きの効率化や水素ステーションの保安検査の簡略化などを求めている。

今後の取り組みについて鈴木知事は、市町村や関係団体などの意見を聞き、札幌市とも連携しながら具体的な内容を検討していく方針を示した。札幌市が提案している進出企業への税制優遇措置については、「札幌市の提案を踏まえて、道としてもどのようなことができるかについては、今後、検討していきたい」と話した。市町村への意見照会については、Team Sapporo-Hokkaidoの取り組みを丁寧に説明しながら速やかに実施する意向を示している。

DATA

北海道 鈴木知事の定例記者会見


取材・文/高橋健一

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