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【 開催レポート 】第5回WINDビジネスフォーラム / 風力発電の安全対策とサプライチェーン構築

昨年5月に秋田市で発生したブレード落下事故を受けて、風力発電の安全対策や先進的な取り組みとともに、持続可能なエネルギーの創出を目指して、風車製造の再興やサプライチェーンの構築、O&M人材の育成に向けての最新動向を紹介した。

メイン画像:写真提供 Anton Gvozdikov@Shutterstock.com

第5回WINDビジネスフォーラムを
レポート!

■日本風力エネルギー学会 会長
 足利大学総合研究センター特任教授 博士(工学)
 永尾 徹氏

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講演:「日本の風力産業の活性化、国産風車の再興を目指して」

かつて世界レベルの実績を誇った日本の風車メーカーは、2019年までにすべて撤退した。しかし、いま日本の過酷な自然環境に最適化した「国産風車」を再び立ち上げようとする動きが活発化している。国内メーカーの撤退により、いまの日本は海外の技術に依存し、トラブル発生時も海外メーカーの指示がなければ動けない「思考停止」のリスクにさらされているとして、永尾氏はこの状況をエネルギー安全保障上の深刻な課題だと指摘する。2023年に青森県六ヶ所村で発生した風車倒壊事故の調査では、海外メーカーが情報提供に応じず、国内のタワー製造メーカーの協力によってようやく原因究明が進んだという。永尾氏は、「自国ですべての部位を把握し、ブラックボックスがない風車を持つことは、迅速かつ正確な事故対応や部品調達の自由度を確保するために不可欠だ」と強調した。そのうえで、技術の独立性とエネルギー安全保障の観点から自国技術を持つ重要性を説き、NEDOによる2040年の国産化目標や、民間主導による国産風車の再興の取り組みをわかりやすく解説した。

 

■株式会社ウィンド・パワー・グループ
 経営企画室 室長 兼 トレーニングセンター事業部 部長
 小松﨑 崇熙氏

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講演:「国内初 GWO BST E-ラーニング講座のご紹介」

ウィンド・パワー・グループのGWO認証トレーニング施設「ウィンド・パワー・トレーニングセンター」は、2024年1月の開校以来、受講のハードルを下げ、トレーニングを広く普及させることをモットーにしている。今年4月からは、BSTの4モジュール・5モジュール・リフレッシャーにおいて、座学をeラーニングで提供するトレーニングを開始する予定だ。eラーニングでは、座学講義をeラーニング専用システムで受講し、モジュールごとに設けられた「理解度確認テスト」で理解度を確認する。実技を受講する1ヶ月前からいつでも視聴できるため、受講者の都合に合わせて学習を進められるのが特長だ。小松崎氏は、「このeラーニングは、『拘束期間の大幅な短縮』『国内最安値』『毎週開講(年末年始を除く)』の3つのメリットがあります。これからも訓練を受けていただくためのハードルを下げていきたいと考えておりますので、気軽にお問い合わせください」と呼びかけている。

 

■九州大学 応用力学研究所 再生可能流体エネルギー研究センター長 
 洋上風力研究教育センター マルチスケール洋上風況研究部門長 教授
 内田 孝紀氏

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講演:「風力発電の安全対策と信頼回復 ~数値風況診断の重要性~」

日本の陸上風力発電において避けて通れないのが、複雑な地形に起因する「地形性乱流」のリスクである。内田氏は、独自に開発した数値風況診断ソフト「RIAM-COMPACT」を用いた精密なシミュレーションにより、風車の倒壊や故障を未然に防ぐだけでなく、精密な予測をもとにした運用停止によって最終的な経済性を高める手法を提唱している。講演では「過去の重大事故の解析から明らかになったのは、遠くの巨大な山影よりも、風車の直近にある『わずかな起伏』が生成する乱流の恐ろしさです。風力発電所は建設して終わりではありません。人間が年に1度受ける健康診断と同様に、風力発電所にも定期的な風況診断が必要です。それは日常的な乱流によって、ボクシングのボディーブローのような疲労蓄積を招くからです」と指摘する。さらに今後拡大する洋上風力においても、日本特有の島々や陸風の影響により、陸上と同様の乱流対策が不可欠だという。内田氏は、陸上風力で培った高精度なシミュレーション技術と、電気信号解析などの最新診断技術を組み合わせることで、日本の風力発電の安全性と信頼性を世界水準へと引き上げる道筋を示した。

 

■福岡県北九州市港湾空港局 
 洋上風力拠点化推進課長 
 白井 伸弥氏

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講演:「風力発電関連産業の総合拠点形成を目指して ~ グリーンエネルギーポートひびき事業 ~」

北九州市は、1901年の官営八幡製鐵所の操業以来培ってきた「工業・港湾・環境」のDNAを活かし、2011年から洋上風力発電の拠点化に取り組んでいる。白井氏は、北九州市の港湾・産業・環境都市としての強みを活かし、洋上風力発電の「基地港湾」としての機能だけでなく、製造・メンテナンス・物流が集積する「総合拠点」の形成を目指す方針をわかりやすく説明した。同市の響灘沖では、9600kWの洋上風車25基がすでに海域に設置されており、今年度中の運転開始を目指して試運転が進められている。響灘西地区では、浮体式洋上風力発電の総合拠点を整備する計画だ。白井氏は、巨大化する次世代風車や、多種多様なフローター(浮体構造物)の製造・最終組み立てに対応するため、約60ヘクタールの響灘西地区を浮体式の総合拠点として整備するとともに、基礎部材の製造から、フローターへの据え付け、設置海域への曳航までを担うことを目指す考えを明らかにした。そのうえで、「メイド・イン・北九州の部材を日本国内だけでなく、韓国、インド、ベトナムといった国々にも提供し、東アジアの拠点にしていきたいと考えています」と力強く語った。

 

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