重量物吊り上げ大手のマムートが日本法人を設立、東京重機との協業を発表
2026/09/22
重量物の吊り上げや輸送を手がけるオランダのマムートが9月1日、日本法人「Mammoet Japan株式会社」を設立した。さらに8日には東京重機株式会社との協業を発表し、リンガークレーンの国内導入体制を強化する。
メイン画像:マムートと東京重機の調印式(写真提供 Mammoet Japan株式会社)
日本法人を設立し
国内市場に本格参入
ノルウェーの浮体式洋上風力発電事業で導入されたリンガークレーン(写真提供 Mammoet Japan株式会社)
1807年にオランダで創業したマムートは、200年以上の歴史を誇る重量物輸送および吊り上げエンジニアリングの専門企業である。世界主要地域に拠点を持ち、自社開発の特殊大型機材と高いエンジニアリング技術を強みに、洋上風力発電や原子力発電、石油化学プラント、大規模インフラ建設など数多くの超大型プロジェクトを手がけてきた。
同社は日本市場においても30年以上にわたり、主に海外案件を通じて日本の主要企業へサービスを提供してきた豊富な実績を有する。9月1日に日本法人「Mammoet Japan株式会社」を設立した目的は、従来の営業窓口にとどまらず、日本国内に法人の基盤を置くことで機材や人を受け入れる受け皿を整備し、エンジニアリングおよび施工遂行体制を長期的に強化することにある。国内での再生可能エネルギー需要の拡大やインフラの大型化に対応し、確実な事業継続を可能にする土台を確立した。
Mammoet Japan代表取締役の柿沼雄介氏は「日本固有の条件をどうこなしていくかを考え、数年後の案件を確実に遂行するための体制づくりを進めています」と日本法人設立の背景と意気込みを語った。

安全な現場遂行を
強力にサポート
オランダ大使館で開催された協業発表セミナー(2026年9月8日)
マムートと東京重機株式会社は9月8日、超大型吊り上げ能力を持つ「リンガークレーン」の国内導入体制に関する協業を発表した。この協業は、マムートが誇る特殊大型機材とグローバルなプロジェクト遂行能力に、1963年設立で60年以上の歴史を持つ東京重機の国内法令対応力や現場実行力を組み合わせる取り組みである。
リンガークレーンの現地での組み立て、設置、運用、分解には、多数の大型補助クレーンや熟練した作業員、トレーラーの手配など国内における確実な現場遂行体制が不可欠となる。東京重機は自社が保有する機材や熟練した技術者、長年培ってきた協力会社ネットワークを全面的に提供し、日本国内での安全な現場遂行を強力にサポートしていく。
東京重機代表取締役の鶴岡卓氏は「マムート社のリンガークレーンの国内での実行体制をサポートし、お客様のニーズに全力でお応えしていく」と前を向く。両社が計画初期から協働することで、国内法規制や現場条件を網羅した現実的な施工計画の提案が可能となる。
国内の事業者に
早期から施工の選択肢を提示
英国・スコットランド ニグ港に導入されたリンガークレーン(写真提供 Mammoet Japan株式会社)
日本の洋上風力発電分野では、風車や構造物の大型化に伴い、1000トンから3000トン級以上の設備部材を扱う超大型重機によるハンドリングが求められている。マムートと東京重機の協業は、単に新しい機材を提供するにとどまらず、国内の事業者に早期から柔軟な施工の選択肢を提示できる体制を整えるものである。
Mammoet Japanの柿沼氏は「世界の国々で培った実績と経験を日本国内でご活用いただき、日本に残る技術と能力にしていきます」と今後の展望を語る。海外のプロジェクトで蓄積した知見を日本の現場に適用するとともに、国内の技術者やオペレーターの育成を通じて技術を日本へ定着させる方針だ。
東京重機の鶴岡氏も「安全性を最優先とし、熟練したオペレーターや技術者をそろえた体制で日本の洋上風力発電事業に貢献していきたい」と語気を強める。国内の事業者と案件の初期段階から対話を進め、安全面、工程、トータルコストを最適化した施工計画を提示することで、日本の洋上風力発電の施工能力を引き上げ、持続可能な発展に貢献していくことを目指している。

取材・文/ウインドジャーナル編集部









