日本の風力黎明期から培った技術力を洋上風力へ[スーパーレジン工業]
2021/10/21
複合材料の設計・製造を中心に、特殊ハイスペック部品の開発を手掛けるスーパーレジン工業。日本の風力発電黎明期からその技術力を発揮してきた同社が、洋上風力への参入を目指す。同社取締役営業部長の朝倉明夫氏に聞いた。
かつては2年で約1000本製造
風力黎明期から技術力を培う
1957年創業のスーパーレジン工業は、繊維と樹脂との性質を組み合わせる複合材料(FRP)の設計・製造を中心に、航空宇宙、産業機器等向け特殊ハイスペック部品の開発で社会インフラを支えてきた。70年の大阪万国博覧会のシンボル「太陽の塔」、小惑星探査機「はやぶさ2」などでも同社製品が使用された。
風力発電に初参入したのは1991年以降。日本では黎明期だった時、大手重工業の依頼で225kW向けブレード(15メートル)を2年間で約1000本製造したのが始まりだ。
だが2000年代に入り、風力発電では海外製品が先行し、日本は開発競争に負けた。そして今、洋上風力発電で復活の兆しが出ている。一方で、洋上風力発電は発電効率化のため大型化が進んでおり、メーカーには100メートルを超えるブレードを作れる技術力が求められている。
そこで同社の「炭素繊維強化プラスチック」(CFRP)が活きてくる。鉄やアルミよりも剛性、軽量性は高いが、価格も高くなる。その分は「当社の強みである設計から製造までの一貫体制とお客様と初期からヒアリングをさせていただく事で工期とコストのバランスの良い生産が可能です」と、同社取締役営業部長の朝倉明夫氏は話す。海外製に遅れを取る日本が巻き返せるか、日本の技術力が試されている。
話を聞いた人
スーパーレジン工業株式会社
取締役営業部長
朝倉明夫氏