【洋上風力第1ラウンド】公道試掘跡が仮復旧のまま2年以上経過 秋田・千葉で約500ヶ所
2026/08/20
洋上風力第1ラウンド3海域の計画中止に伴い、秋田と千葉の両県で陸上送電線ルートの公道試掘跡 約500ヶ所の本復旧工事が長期化している。千葉県では多数の試掘跡が点在しているため、全体の完了は2027年末までかかる見込みだ。
メイン画像:陸上送電線ルートの公道試掘跡(秋田県三種町)
公道試掘跡の復旧が未完了
秋田・千葉両県で計約500ヶ所

秋田県三種町に掲示された工事用看板
「いったいここで何をしているのだろうか」。近くで農作業していた男性が立て看板を見つめながらつぶやいた。秋田県三種町大口地区。メロンの栽培が盛んなこの地域で、今年5月から道路を部分的に完全舗装する工事が進められている。発注者は、「秋田能代・三種・男鹿オフショアウィンド合同会社」。かつて洋上風力第1ラウンド「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」の事業を進めていた特定目的会社である。
洋上風力第1ラウンドの発電所建設に向けた地中埋設物調査に関連し、秋田県と千葉県の公道上に施工された試掘の跡、計約500ヶ所において、アスファルトの仮復旧が施されたまま2年以上経過していることが関係者への取材で明らかになった。現場で試掘を実施したのは、三菱商事を中心する特定目的会社。地下配管などの敷設状況を検証したあと、厚さ5センチ程度の薄い層による暫定舗装で対応していたが、本来実施されるべき本復旧の舗装作業を行わない状態が長期化している。秋田県の約20キロに約100カ所、千葉県の約50キロに約400カ所の試掘が行われている
仮復旧舗装はあくまでも応急処置であり、長期間の交通荷重に対する耐久性は想定されていない。舗装工学に詳しい専門家は、期間の長期化に伴い雨水の侵入や路盤劣化が進行し、凹凸やわだち、クラックなどによる通行支障や事故誘発リスクが高まる点を指摘している。行政側もインフラ管理の観点から早期の復旧を求めている。

第1ラウンド3海域
計画中止までの経緯

洋上風力第1ラウンド「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」
三菱商事を中心する特定目的会社は、2021年12月、洋上風力第1ラウンドの公募において「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」「秋田県由利本荘市沖」「千葉県銚子市沖」の3海域の事業者に選定された。これに伴い、陸上送電線埋設のための試掘工程を2023年6月から2024年7月にかけて広範囲に実施していた。
しかし、世界的なサプライチェーンの混乱や原材料費・風力タービン価格の高騰を受け、事業の採算性が大幅に悪化したとして、特別目的会社は2025年2月に事業の抜本的見直しを発表したあと、同年8月に3海域からの全面撤退を最終決定した。送電網整備の工事中断に伴い、本来は一体で施工される計画であった本復旧工事もストップし、暫定復旧状態の道路が各地に残される格好となった。
千葉県の本格復旧作業は
長期化の見通し

期間の長期化に伴い雨水の侵入や路盤劣化を懸念する声も
現場の復元に向け、事業者は今年5月から秋田・千葉の両県において順次本格的な舗装復旧工事を開始している。秋田県三種町の現地に掲示された工事看板には、2026年5月18日から8月30日までの工期で「試掘跡の舗装工事を行っています」と記されており、現地での作業が進められている。もっとも、本復旧を要する現場数がきわめて多く、路線全体における工事完了までには相当な期間を見込む必要がある。
関係者によると、秋田県内での本復旧作業については、早くても2026年中の完了を見込んでいる。一方で、約400ヶ所の公道試掘跡が点在する千葉県内の本復旧作業は長期化しており、全体の工事完了は2027年いっぱいまでかかる見通しとなっている。











