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経産省のサイバーセキュリティ対策 風力発電でもゲートウェイ以外の機器に順次対象が拡大されていく方向

経済産業省は10月19日、第20回産業サイバーセキュリティ研究会を開催し、分散型電源のサイバーセキュリティ対策を議論した。今後はJC-STAR★2以上の策定に向けて情報処理推進機構(IPA)と協議しながら検討準備を進める方針で、風力発電分野でもゲートウェイ以外の機器について順次対象が拡大されていく方向だ。

 

メイン画像:© Digineer Station/Shutterstock.com】

<目次>
1.風力発電は ゲートウェイのみが対象
2.運用開始は2027年4月 系統接続契約申し込みの必須要件に
3.JC-STAR★2以上の策定に向けて 検討準備を進めていく

 

風力発電は
ゲートウェイのみが対象

 

JC-STAR★1要件化の対象となる電源種、適用開始時期、適用範囲(出典 経済産業省)

 
AIの悪用により全世界で勢いを増すサイバー攻撃への対応が急がれる一方で、太陽光発電や蓄電池では中国製品を採用する際に認証取得への不安が残る。ただ風力発電では、風車制御装置や遠隔監視装置をすべて一律に対象とするのではなく、まずは外部ネットワークとの接続点にある機器のうち、ファイアウォール機能または同等の防御機能を持つ機器に絞って要件化する方針が示されている。

経産省は太陽光・蓄電池・風力発電などの系統接続申請の際にJC-STAR★1認証を必須要件とする方針を決め、「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」の改定案について11月6日までの期限でパブリックコメントを実施している。認証の適用範囲は、太陽光発電や蓄電池ではゲートウェイのほかIP通信機器を有するPCS(パワコン)やEMS(エネルギー管理システム)、BMS(バッテリー管理システム)、遠隔監視装置に加え、制御システムなどと通信接続しているIoT機器も対象となる。

これに対して風力発電はゲートウェイのファイアウォールのみを対象とすることにしており、太陽光などに比べて適用対象が狭い範囲に留まっている。これは風力発電の多くが海外製でIP通信を用いる機器が多く、これらの機器全てを同時に対応させようとすると、対応に時間を要するためとしている。つまり強固なセキュリティの確保よりも、早期のセキュリティ体制整備を優先した形だ。
 

 

運用開始は2027年4月
系統接続契約申し込みの必須要件に

 


JC-STAR★1要件化に向けた今後のスケジュール(出典 経済産業省)

適用開始時期については、太陽光発電と蓄電池の特高・高圧が2027年4月から、また低圧に関しては2027年10月からとなっている。風力発電も2027年4月から適用開始される。
 


新たな要件が適用されるタイミング(出典 経済産業省)

 
適用が開始されると、系統接続の契約申し込み時に対象機器がJC-STAR★1認証を受けていなければ契約申し込みの受け付けが原則できなくなる。従って、2027年4月以降に系統接続契約を予定している案件では、認証を取得した対象機器を選定していく必要がある。ちなみに上図の通り「接続検討」の申し込み時には認証取得が要件とはなっていないため、接続検討の回答を受けてから契約申し込みを済ませるまでに時間の猶予がある。

機器のJC-STAR★1認証制度は始まったばかりだが、蓄電池分野では、中国製品の認証取得に事実上高いハードルが課されている。2027年4月の義務化を控え、国内の発電事業者や蓄電池メーカーはサプライチェーンの再構築を迫られている。

それに比べて風力発電の場合はゲートウェイのみが対象となっているため、ハードルは低い。しかも風力発電で使用されているゲートウェイは汎用品が多いため、認証取得にも大きな問題はないと経産省では説明している。メーカー側では認証取得がまだ進んでいないものの、取得は可能という認識で作業を進めている。

 

JC-STAR★2以上の策定に向けて
検討準備を進めていく

 

ただ風力発電の場合、欧州メーカー製風車の採用が多い。欧州でも分散型電源に対するサイバー攻撃への対応を進めている段階であり、サイバーセキュリティ認証についても現在検討中だ。そのため日欧の相互認証ができないため、欧州製機器でもJC-STAR★1認証が必要となる。またゲートウェイが風車の専用設計になっていれば、汎用品に比べて認証取得に時間がかかる可能性もあり注意が必要だ。

さらに、風力発電でも今後ゲートウェイ以外の機器について、順次対象が拡大されていく方向にあり、経産省では可能な限り速やかにJC-STAR制度に基づく認証の取得を進めるよう対応を求める考えだ。
 


JC-STAR制度の概要(出典 経済産業省)

またJC-STAR認証は★1から★4までの4段階の認証があり、★1認証は最低限の適合水準に過ぎない。そのため今後は分散型電源においても、より上位の認証取得が求められる。10月19日の産業サイバーセキュリティ研究会では、電力分野固有の脅威や特性を考慮したサイバーセキュリティ対策として、IoT製品類型ごとの特徴に応じた適合基準であるJC-STAR★2以上の策定に向けて、情報処理推進機構(IPA)とも協議しながら検討準備を進めていく方針が示された。今後の新設案件や既設更新案件では、サイバーセキュリティをより強く意識した計画づくりが必要になりそうだ。
 

 

DATA

第20回産業サイバーセキュリティ研究会 電力サブワーキンググループ

電力広域的運営推進機関 第21回 グリッドコード検討会


取材・文/宗 敦司

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